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31話 ページ32









蝶屋敷。

そこへやって来たのは、




しのぶ「紅蓮寺さん…!」


紅蓮寺「しばらくだな、胡蝶」




手土産を持った紅蓮寺だった。




しのぶ「もうお体は大丈夫なんですか?」


紅蓮寺「ああ、もうピンピンだ」


しのぶ「全く、人騒がせな人ですね」


紅蓮寺「だからこうやって土産を持ってきた」





そう言って差し出してきたの桜餅が入った木箱だった。





しのぶ「ありがとうございます。

どうぞ、上がっていってください。

あの子たちも喜びます」


紅蓮寺「いや、今日は遠慮しておくよ。

煉獄達のところにも行かなければならないんだ」


しのぶ「そうですか…」




どことなく、寂しげな表情をするしのぶ。


そんなしのぶを見て、紅蓮寺は手を伸ばす。




しのぶ「!」




しのぶの頭に置かれた大きくて優しいて手。




紅蓮寺「そんな顔するな。

また会いに来るさ、“しのぶ”」


しのぶ「っ……姉さん…」


紅蓮寺「ははっ、そう呼ばれるのはカナエがいた時以来だな」


しのぶ「!! す、すみません…!!」


紅蓮寺「いいさ。

そうやって、素直に生きていればいい。

カナエも報われるだろう」


しのぶ「っ…」


紅蓮寺「じゃあな、胡蝶。

また怪我した時は頼むよ」





そう言って颯爽と去っていく紅蓮寺。


まだ温もりが残る頭を、しのぶは撫でながら、





しのぶ「もう……仕方のない人ですね…」



















煉獄「紅蓮寺!」


冨岡「起きたのか」





たまたま二人同時に行動していた煉獄と冨岡。





紅蓮寺「あの時は迷惑をかけたな」


冨岡「問題ない」


煉獄「元気そうで何よりだ!!」


紅蓮寺「これ、良かったら二人で食べてくれ」





そう言って二人に渡したもの。

焼き芋と鮭大根だった。




紅蓮寺「夏葵凪が作ったんだ。

味は天下一品だぞ」


煉獄「おお!これは有難い!千寿郎も喜ぶ!」


冨岡「すまないな」


紅蓮寺「いいや、こちらこそすまない。

迷惑をかけた。ありがとう」


煉獄「ああ!」


冨岡「ああ」


紅蓮寺「そうだ。

これから柱で飲みにでも行かないか?

もちろん、未成年である甘露寺と時透は茶だがな」


煉獄「それはいいな!

完治祝いに飲みに行くのも一興だ!」

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作者名:しょうが湯 | 作成日時:2019年9月17日 0時

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