26話 ページ27
。
炭治郎「すみません」
人「竈門炭治郎様。ようこそ、産屋敷邸へ」
炭治郎「突然すみません。
紅蓮寺さんのお見舞いに……」
瑠璃羽「入ってこないで！！」
炭治郎「！」
産屋敷邸を訪れた炭治郎。
しかし、その姿を見た瑠璃羽が怒号を上げる。
炭治郎「瑠璃羽さん…」
瑠璃羽「アンタに名前を呼ばれる筋合いなんかないんだから！」
炭治郎「紅蓮寺さんのお見舞いに来たんです！
本当は俺の友達も一緒にと思ったんですが…」
瑠璃羽「いらないわよ！
出てって！師範には会わせないんだから！」
夏葵凪「やめろ瑠璃羽」
瑠璃羽「夏葵凪！」
炭治郎「夏葵凪さん…！」
夏葵凪「入ってこい、竈門炭治郎」
瑠璃羽「何言ってるのよ夏葵凪！」
夏葵凪「こんなことをしても、師範は目覚めない。
それに、悲しむだけだ」
瑠璃羽「っ」
夏葵凪「我慢しろ。
ついて来い。案内してやる」
炭治郎「はい！」
。
炭治郎「紅蓮寺さん…」
眠ったままの紅蓮寺の元へ歩み寄る炭治郎。
夏葵凪「師範は眠ったまま、もう一ヶ月はこの状態だ」
炭治郎「一ヶ月……」
夏葵凪「……竈門炭治郎。
すまなかった。
お前の話もろくに聞かず、刃を向けたこと」
炭治郎「え」
瑠璃羽「……」
夏葵凪「瑠璃羽」
瑠璃羽「…わ、悪かったわ。
でも謝らないわよ。
師範が切腹することになったのはアンタのせいなんだから」
炭治郎「……はい」
夏葵凪「全く…。
だが、お前を認めたわけではない。
功績を上げて、誰にも文句を言わせないくらい強くなれ」
炭治郎「は、はい！」
夏葵凪「…師範も、きっとお前のその真っ直ぐな瞳に引かれたんだろうな…」
炭治郎「あの……
紅蓮寺さんとお二人は…」
夏葵凪「師範であり兄でもある」
瑠璃羽「師範であり姉でもある」
夏葵凪「お前も知ってるだろ。
師範には性別という概念が、恐らく存在しない」
炭治郎「は、はい」
瑠璃羽「私たちにとってそんなことどうでもいいのよ。
師範は師範で、私の姉様。
夏葵凪にとっては兄様なんだから」
そう言って、二人は少し微笑んだ。
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作者名：しょうが湯
| 作成日時：2019年9月17日 0時
