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22話 ページ23









夏葵凪「兄様……」


瑠璃羽「っ……」



紅蓮寺「もう何も言うな。

もう少し寝ているといい。

その場しのぎでの手当はしたが、まだ完治してないことを忘れるなよ」


瑠璃羽「はいっ」


夏葵凪「はい」


















しのぶ「鴉が言うに、この山だそうですが…」


煉獄「うむ!こちらからの反応があるな!」


義勇「早く探すぞ。お館様も心配しておられる」





三人は、紅蓮寺の後を追うように頼まれた。

そして、鎹鴉に案内されるがまま、遠方の山へと来ていた。





しのぶ「随分と険しい山ですね…」


煉獄「人が入るような山ではないからな!」


義勇「早く紅蓮寺を……」


しのぶ「どうしましたか?」


義勇「紅蓮寺…?」





義勇が目を見開く方向。

山の入口らしき場所から紅蓮寺が出てきた。



しかし、その姿はボロボロで血だらけで、歩けるような状態ではないということだけは一瞬で理解出来た。






しのぶ「紅蓮寺さん…!!!」




紅蓮寺「胡蝶……か」


煉獄「酷い怪我じゃないか!!」


義勇「背中にいるのは…お前の継子たちか…?」


紅蓮寺「ああ…そうだ。

私の可愛い…弟と妹だ……ガハッ…!!」


しのぶ「紅蓮寺さん!!!」





片手をついて地面へ崩れる紅蓮寺。

三人は慌てて紅蓮寺へと駆け寄る。





しのぶ「一体何が……」


紅蓮寺「煉獄…冨岡…

二人を、担いでくれないか……眠っているんだ…」


煉獄「もちろんだ!」


義勇「任せろ」






紅蓮寺から二人を引き剥がす煉獄と冨岡。






しのぶ「二人の応急手当は、あなたが?」


紅蓮寺「ああ……ゴホッ…」


しのぶ「肺が潰れて……呼吸を連発しましたか?」


紅蓮寺「ははっ…

洞窟に逃げ込めたのはいいが、二人とも力尽きて眠っていてな……。

鬼が休む間もなく襲ってくるもんだから…

さすがの私も……ゴホッゴホッ…!!」


しのぶ「それ以上は喋らないで下さい。

傷に障ります。

すぐに救護班を呼びますから___」


紅蓮寺「胡蝶」


しのぶ「……なんですか」


紅蓮寺「お前の言葉、理解している。

酷いことを言ってすまなかったな」


しのぶ「……はい…」






そう言って、紅蓮寺は瞼を閉じて眠りについた。

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作者名:しょうが湯 | 作成日時:2019年9月17日 0時

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