☆200 ページ15
目を開けたら、真っ白な部屋。
思わず、真っ先に手に視線を送る。
繋がったままの、手。
ぼんやりとした頭のまま、廉の名前を呼んだ。
「ごめんね、"廉"じゃなくて」
「……………ショウさ、ん？」
「おきた？」
そこにいたのは、ショウさんだった。
私を見つめる、その瞳。
悲しげに揺れて。
……私いま、廉のこと呼んで………。
「痛いところは？」
「大丈夫、です」
「命に別状はなし。床に体を打ち付けたときに、膝なんかに痣できちゃったみたいだけど。1番の怪我は、手、腕、額を硝子で切ったことかな。縫ったって。」
「そうですか」
「……ねえ」
「はい」
「心配した」
「…すいませんでした」
「立花さんと会ってたなんて………。俺、もっとちゃんと言っとけばよかったなって。ちゃんと忠告しとけば…」
「ねえ、ショウさん。立花さんて、前からああなの？」
「全部、きいた？…俺と、ミナミのことも？」
「……はい」
「……………あの人、夫亡くしてんの。しかも他の女と浮気してたときに交通事故で。俺と会う、ちょっと前のこと。」
「そんな…」
「それが原因で、立花さん、過呼吸になってて。俺が世話してたんだ。」
だから、私と初めて会った時も
あんなにスムーズに対処できたんだ。
それにしても、過呼吸なんて。
急に、親近感じゃないけど。
苦しさは、わかるから。
息ができない苦しみ。そして、心の苦しみ。
「ああみえて、繊細やから」
「……そこまで理解してて、どうして」
「どうして事務所を出たかってこと？それは、俺が、ミナミのこと好きだったから」
繋いでいた手をするりと離して、
私の頭をぽんぽんと撫でる。
何故だか、胸がぎゅっとする。
「ミナミに酷いことしたから、許せなくて」
「そうだったんですか…」
「昔の話、ね？」
そう言うと、Aの両親に電話するから外出るね、と立ち上がった。
え？両親？
そのキーワードをきいて、慌てて引き留める。
「お父さんもお母さんも、このこと知ってるんですか！？なんで！」
「そもそも、お父さんとお母さんから俺に連絡が来たの、病院で付いててもらえるって」
「え？…え？」
「あーこの前、俺、お父さんとは連絡先交換してて〜」
「い、いつのまに…」
「………永瀬廉から、みたいよ。Aのお父さんとお母さんに事情を説明したの」
また、胸がぎゅっとした。
それは、廉に対してか、
ショウさんに対してか。
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◯◯(プロフ) - タイムマシンみたいなコメント欄です( ◠‿◠ ) (7月13日 1時) (
レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
◯◯(プロフ) - 多分昔に2018年から年一ペースで読んでるとかいう書き込みをしたのですが、また読んじゃいました^_^大好きな作品です！！初めて読んだ頃からこんなに時間が経ってるのにびっくりするし、ここに書き込んでる人も大人になったのかなーって想像するだけでわくわくです^ ^ (7月13日 1時) (レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - またいつか巡り合ったら読ませていただきます。確実に私のお気に入りの作品です。 (2022年6月25日 3時) (レス) id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - たまたま検索していたところ、数年ぶりにこちらの作品を見つけました。懐かしな、何回も読み返したな、と思いながら読み始めると4時間ずっと読み続けてました。そして号泣していました。毎回です。こんな素敵な作品が残っていたこと、とても嬉しく思います。 (2022年6月25日 3時) (レス) @page37 id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - ほんと懐かしいな〜とコメント欄を眺めていたら、2017年の際にもしっかりコメントしている自分がいました（笑）この作品は中毒性がありますね。素敵な作品です。 (2021年9月29日 4時) (レス) id: a5a7435db3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2017年1月18日 12時
