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「ふうん…」
「西畑、あの……」
「ええんちゃう?」
「え?」
さっきまでの怖い雰囲気は何だったのか、
突然にこにこ。
いや、寧ろそれが怖いですけど。
「あの幼馴染くんより、俺はオススメ」
「え?…え?」
「言っとくけど、俺いま、既婚者やから」
「きこんしゃ………き?こんしゃ?!?!!」
慌てて左手を見れば、
薬指にキラリと光るものが。
う、うそ。結婚してるの……?
「すいませんね、さっきあんな意地悪言うてもうて。なんて言うかなあって気になって」
「あ、指輪気づいてたし俺は別に」
平然とショウさんが言う。
気づいてたの?!
な、なんだ私だけか…
ていうか何で逆に気づかなかったんだろう。
「ま、中途半端なやつにはA任せたくないし」
「なに言って」
「モテモテだった俺が何故?高校時代で彼女が?できなかったのか??何やったっけ、ああそうや、悲惨な片思いをしてたせいで、
「あわわわわわ!!!!」
「で?俺は合格?」
「あの幼馴染くんのこと、俺の分までボッコボコにしてくださいね!」
ぱちん☆とウインクする西畑。
変わってない、恐ろしく変わってないけど、
これで既婚者ってどうなってんの。
いつしたのか知らないけど、
学生結婚って相当勇気いる。
それに西畑の家って、詳しくは知らないけど、あんだけの地位だったら尚更簡単なことじゃないと思うし……
相当、今の奥さんのこと、すきなんだなあ。
「じゃ、俺用事あるし、行くわ」
「ま、また連絡する!」
「俺の奥さん、結構ヤキモチ焼きねんけどー…」
「……じゃあ、しない…」
「うそうそ!いやうそやないけど!」
「惚気か!」
「連絡、待ってんで!」
西畑が改札の向こうの、人混みに消えたのを見届けて、
振っていた手をおろす。
あ……ショウさんと2人になっちゃった…
さっきの言葉思い出したら、
緊張して動けない。ど、どうしよう。
「お腹空いたなあ」
「あー……ですね…」
「それに、眠くなってきちゃったや、ふあああ」
「も、もう結構な時間ですもんねー」
「おれ、今日頑張ったと思わない?打ち合わせしたしー、たくさん歩いたしー、告白したしー、」
「………」
「ほんとに眠いなあ、どっか泊まれないかなあ」
「泊まっ…、!?!!」
「でもホテル泊まるほどお金持ってきてないしー、クレジットカードも置いてきちゃったなー」
「ここらへんのカプセルホテル…、
「個室じゃないとやだ」
「………」
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◯◯(プロフ) - タイムマシンみたいなコメント欄です( ◠‿◠ ) (7月13日 1時) (レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
◯◯(プロフ) - 多分昔に2018年から年一ペースで読んでるとかいう書き込みをしたのですが、また読んじゃいました^_^大好きな作品です!!初めて読んだ頃からこんなに時間が経ってるのにびっくりするし、ここに書き込んでる人も大人になったのかなーって想像するだけでわくわくです^ ^ (7月13日 1時) (レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - またいつか巡り合ったら読ませていただきます。確実に私のお気に入りの作品です。 (2022年6月25日 3時) (レス) id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - たまたま検索していたところ、数年ぶりにこちらの作品を見つけました。懐かしな、何回も読み返したな、と思いながら読み始めると4時間ずっと読み続けてました。そして号泣していました。毎回です。こんな素敵な作品が残っていたこと、とても嬉しく思います。 (2022年6月25日 3時) (レス) @page37 id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - ほんと懐かしいな〜とコメント欄を眺めていたら、2017年の際にもしっかりコメントしている自分がいました(笑)この作品は中毒性がありますね。素敵な作品です。 (2021年9月29日 4時) (レス) id: a5a7435db3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆい☆ | 作成日時:2017年1月18日 12時