☆207 ページ22
「デザイナー…」
「ほんまは予備校？みたいなん行きたいけどここからやと遠いし」
「なんのデザインしたいの？」
「服！」
部屋に残ってる美大生に視線を送るも、申し訳なさそうに首を振られる。
うちで教えてくれてる子達はみんな油絵や水彩画専攻で、ファッション専攻の子はいない。
私はよくわからないけど、やっぱり専攻によって入試対策違うのかな。
うちじゃ見てあげられないのかな。
「…あの……すいません、うちでは、
「すいませーん、講師募集の看板見て来たんですけど」
「あー、そこで待っててもらえますか？今、、、
………」
目を見張る。
ドアにもたれかかるようにして、そこに立っていたのは
「君！ファッション関係やりたいの？」
「…はい！」
「俺が見たるで」
「え？教えてくれるんですか？」
「美大対策、俺もやったわ〜。出来る限り、サポートしたるから」
「あ…ありがとうございます」
ぽかーんとしてる私を差し置いて、
喜んでるイケメンくんと、よかったなあと笑っているお母さん。
じゃあまた体験しに来ますね、と出て行った。
「え、………え、あ、…いや、………え？」
「うん？当然雇ってくれますよね？」
「な、なんで………なんでいるの、廉」
近づいて来て、カウンターに手を付くと、
ふふんと笑った。
「ただいま」
余裕そうなのがムカつく。
いや第一、ただいまって、なに？
ていうかここで働くつもり？
あなた自分の仕事は？デザイナーは？
私の前に差し出される、四角い箱。
は？
いやいや、嘘でしょう。
ありえないんだけど。
箱を開けたら、
星のように光るリング。
「いやほら、やっぱ？顔に傷痕…あんねやろ？」
「…そんなん……前髪でわからんし」
「でも、……し、仕方ないからその責任取ってやろうかなって？思って？」
なんだその上から目線。
しかも私達、付き合ったことないんだけど。
色々吹っ飛ばしすぎじゃない？
ていうかここ、私の職場なんだけど。
ムードもクソも…。
こういうのこそ、星空の下で…とか。
色々文句言ってやりたい。
言ってやりたいのに…
「………廉、」
「なに」
「………ちゃんと言って」
「本当に遅くなったけど、迎えに来たよ」
「………っ〜……、…廉、」
「俺と結婚してください」
ぽろりと落とした私の涙を、
廉が拭って、
またいつかのように、目元にキスを落とした。
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◯◯(プロフ) - タイムマシンみたいなコメント欄です( ◠‿◠ ) (7月13日 1時) (
レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
◯◯(プロフ) - 多分昔に2018年から年一ペースで読んでるとかいう書き込みをしたのですが、また読んじゃいました^_^大好きな作品です！！初めて読んだ頃からこんなに時間が経ってるのにびっくりするし、ここに書き込んでる人も大人になったのかなーって想像するだけでわくわくです^ ^ (7月13日 1時) (レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - またいつか巡り合ったら読ませていただきます。確実に私のお気に入りの作品です。 (2022年6月25日 3時) (レス) id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - たまたま検索していたところ、数年ぶりにこちらの作品を見つけました。懐かしな、何回も読み返したな、と思いながら読み始めると4時間ずっと読み続けてました。そして号泣していました。毎回です。こんな素敵な作品が残っていたこと、とても嬉しく思います。 (2022年6月25日 3時) (レス) @page37 id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - ほんと懐かしいな〜とコメント欄を眺めていたら、2017年の際にもしっかりコメントしている自分がいました（笑）この作品は中毒性がありますね。素敵な作品です。 (2021年9月29日 4時) (レス) id: a5a7435db3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2017年1月18日 12時
