☆181 ページ46
「だから女子の部屋に勝手に入るなて前も！
「温度下げてええ？？あっつ、」
「きいてない！」
ピピピって勝手にリモコン操作して、
あ〜〜〜とか叫んでる。
なんだこいつ！
何様？王様？あ、廉様！
そうだこの人こういう人だった！
もうしらない！
私はレポートやる！
「……なにしてん」
「ちょっと集中するので話しかけないでください」
「もしかしてこれレポートってやつ？大学の？」
「こっち来ないでください」
「わ〜ダルそ〜〜〜〜」
カタカタやってる後ろからひょいと画面を覗き込まれて、気が気でなくて。
近いから！
というか、思考がまとまらない。
何書こうと思ってたんだっけ。
資料が全く頭に入らないよ！
「ね、これいつ終わるん」
「……」
「無視すんな〜」
「話さないでください」
「話しに来たのに？」
「なにを？」
「この数年間の空白？」
思わず廉の方を見たら、
案の定近くて、わ！って少し固まる。
なのに廉は気にしてない風で
「やっとこっち見た」なんて笑う。
心臓、もたない。
「言い訳みたいになるけど、ええ？」
「…え、……あ、うん…」
「まあ、言い訳やけど」
さりげなく距離をとりながら、冷静を装うので精一杯。
ダメだ、話に集中しなきゃ。
「どこから話すか…」
「…何で連絡取れなくなったか」
「うーん…いや、その前にも色々あって…」
「色々って」
「えっーと……あ、一応先言っとくけど、俺、最低な話するからな？」
「………うん」
「その…最低やって、思ってくれてええから」
「もう思ってる」
そっか、って廉が静かに呟く。
だって廉にどんな理由があったって、私のこの数年間は、もう戻ってこないわけで。
その数年間、私がボロボロだったのも、事実なわけで。
最低、って思わないほうがおかしい。
「きっかけは、塾に特別講師が来たこと。」
「…その話、聞いた気がする。心愛ちゃんが言ってた。」
「じゃあ話はやいね、その人、俺のこと見込んでくれて、塾での期間限定授業が終わってからも個人的に教えてもらうようになって」
「大御所なんやろ？すごいやん」
「おん、せやから俺も、嬉しくて。どんどん夢中になっていって。のめり込んでいって。周りが見えなくなっていって。ずっと絵、描いてた」
「それも聞いた。授業中でさえ描いてたって。休み時間も、ずっと。」
「…そう、ずっと。それで、ある日言われた。学校なんて、行かなくていいって。」
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れー。 - トラウマになりそうなほどに切なく物語を思い出すだけで胸が締め付けられます。こんなに感情が動いた作品は今まで読んできた小説で圧倒的に一番です。映画やドラマにしてほしいほどこの小説に惹かれてしまいました。大好きな作品です！ (2018年6月27日 10時) (
レス) id: 4792958e4f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一番好きな作品です！！もう、10回ぐらいは読み返しました笑 定期的に見たくなります！ (2018年4月1日 0時) (レス) id: 7fb9479a8f (このIDを非表示/違反報告)
夏 - あー、頭がどうにも可笑しくなりそうです笑この作品を見ると、生まれた場所の東京と今居る田舎の県と、交わって感情移入がしやすいです。教えてくれたあの子に感謝。 (2017年1月21日 8時) (レス) id: ec0b94023c (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - この作品が占ﾂｸで一番好きです！いきものがかりさんのラストシーンにぴったりでこの曲をきくとこの作品を思い出してなきそうになります。お勉強頑張って下さい！ (2017年1月18日 20時) (レス) id: 092114e7d9 (このIDを非表示/違反報告)
なっぴぴ(プロフ) - 更新されててすごいびっくりしました！ほんとにうらつくの中で1番好きな作品です>_< (2017年1月18日 13時) (レス) id: d6fe05cabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2015年12月29日 10時
