☆180 ページ45
アプリの着信音が鳴って、
2人ともハッとしたように離れる。
鳴ったのは廉のほうのスマホ。
外で。
こんな真昼間に。
泣いて？抱き合って？
人が通らない路地だったからいいものの。
相当イタイし、はずかしい……！
それは廉も同じみたいで、少し顔を赤くしながら電話に出てる様子を思わずじーっとみてると、
「………こほん！」
咳払いされた。
ああ…見るな、って？
しょうがないから足元とか見てたら、
すいませ！すいませ！申し訳ないっす！と廉がペコペコし出して、慌てて電話を切る。
「やべ！先輩ほったらかしたまま来てもうて！」
「やっぱり仕事中やったん？」
「仕事は終わってんけど、この後展示会あって、それちょっと顔出しに行くかって話で」
「と、とりあえず早く戻って！」
「…ほんまどないしよ」
ぶつぶつ呟きながら廉が少し歩き出したと思ったら、
ふいに振り返る。
そのまま私に近寄ってきて、何かと首を捻ってたら、あのさ！！！ってデカイ声。
「なに、早く行きなって…、
「今日！家行くから！待ってろ！逃げんなよ！」
そのままデカイ声で要件を告げた途端、
走って行ってしまう。
うわあ………と、思わず声に出してしまっていた。
だって、今の、
あまりに………………………。
何て言ったらいいんだろう、わからないけど、限界だ。
頭の中が沸騰してる。
ぼうっとしたまま、ふらふら家に帰り、
服も荷物も置いてそのまま、ソファで横になってたら、カバンからぴょこんと出てる紙の束が見えた。
そこで、ようやく気づく。
レポート明日提出…
血の気が引いていく。だって、全然終わってない。
飛び起きてパソコンを起動させ、画面にかじりついて必死に手を進める。
泣きたい…
ぴんぽーん
この空気に似合わない間抜けなチャイム音に、ムッとする。
誰！郵便？ごめんなさい今は出れない最優先はレポート！！！
カタカタカタカタ、カタカタ
ぴんぽーん ぴんぽーん
カタカタカ ぴんぽーん
「もう！！！」
本当に泣きそうになりながら、仕方なくパソコンの前から離れ、玄関へと向かう。
「出なくてすいませんでしたそれで何の用で！」
「……おう、」
「えっ、廉！え、もう夜？え、いま何時！？」
「9時くらい？なに、寝てたん？」
「や、ちょっとレポ………まって！勝手に入らないでって前も、
「おじゃましまーす」
速攻クーラーの前へ向かう廉。
ああ、なんかデジャブ…
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れー。 - トラウマになりそうなほどに切なく物語を思い出すだけで胸が締め付けられます。こんなに感情が動いた作品は今まで読んできた小説で圧倒的に一番です。映画やドラマにしてほしいほどこの小説に惹かれてしまいました。大好きな作品です！ (2018年6月27日 10時) (
レス) id: 4792958e4f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一番好きな作品です！！もう、10回ぐらいは読み返しました笑 定期的に見たくなります！ (2018年4月1日 0時) (レス) id: 7fb9479a8f (このIDを非表示/違反報告)
夏 - あー、頭がどうにも可笑しくなりそうです笑この作品を見ると、生まれた場所の東京と今居る田舎の県と、交わって感情移入がしやすいです。教えてくれたあの子に感謝。 (2017年1月21日 8時) (レス) id: ec0b94023c (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - この作品が占ﾂｸで一番好きです！いきものがかりさんのラストシーンにぴったりでこの曲をきくとこの作品を思い出してなきそうになります。お勉強頑張って下さい！ (2017年1月18日 20時) (レス) id: 092114e7d9 (このIDを非表示/違反報告)
なっぴぴ(プロフ) - 更新されててすごいびっくりしました！ほんとにうらつくの中で1番好きな作品です>_< (2017年1月18日 13時) (レス) id: d6fe05cabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2015年12月29日 10時
