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ショウさんが大学を卒業して、私が春休みに入ると、彼は自宅兼事務所に籠もりっぱなしで絵を描いていた。
出来たばかりの実績のない事務所の存在など知っている人なんている筈が無くて
今のところ仕事の依頼は一つもない。
どうやらショウさんは、昔プロとして活動していた頃の関係者に、もう一度絵を職業として描き始めたことを知らせていないようだった。
「知らせれば1つくらいは仕事舞い込んでくるんじゃないんですかー？」
「そんなこと言ったって連絡先知らへんし」
「………1人もですか…」
「前の事務所辞めた時にケイタイ捨てた、あは」
「後先考えませんよね…ショウさんて…」
「いやあ、だってまさか、またこうやって絵を描くお仕事するとは思ってなかったし？それにね、A？」
「はい」
「この世界って、そんなに甘くないよ？俺って数年しか活動してないし、国内でちょーっと売れてたぐらいで、簡単に仕事もらえるわけないの」
「じゃあ、どうするんですか…」
「とりあえず、業界の人の目に留まらなきゃと思って」
「って？どういうことですか？」
「ん、手当たり次第にコンテストに応募してみてん。」
そういって、机の上に山のように積み重なっているファイルをごそごそと探ると、
そのうち１つを手に取って、中からいくつか紙を私に差し出す。
どれも、絵のコンテストの広告だった。
「小さいコンテストでも、審査員で意外とお偉いさんが居たりするのね。だから、他にもたくさん、とりあえず片っ端から申し込んでみた」
「へえ、私、そういう絵の業界のことはわかんないですけど、いい結果が出るといいですね」
「あ、もう途中までだけど結果出てるのもあってね」
今にも雪崩が起きそうなファイルの山の中から今度はタブレット端末を取り出し、
メール画面を私に向けた。
「これなんかもう、1次も2次も通ったから、あとは最終選考だってさ」
「えっ？！通っ、えっ、？あとは最終審査？？？」
「しかもいきなりそこそこ大きいコンテストやねん、やったね、ちかみち」
「…すごいです……」
ショウさんは、あはあは、って何でもない風に笑ってるけど
やっぱり、この人は、只者じゃないんだ。
とてつもない、才能を持っている人。
「そうそれでね、受賞者発表会があるらしくて行かなきゃなんだけど、Aも来れる？」
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れー。 - トラウマになりそうなほどに切なく物語を思い出すだけで胸が締め付けられます。こんなに感情が動いた作品は今まで読んできた小説で圧倒的に一番です。映画やドラマにしてほしいほどこの小説に惹かれてしまいました。大好きな作品です！ (2018年6月27日 10時) (
レス) id: 4792958e4f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一番好きな作品です！！もう、10回ぐらいは読み返しました笑 定期的に見たくなります！ (2018年4月1日 0時) (レス) id: 7fb9479a8f (このIDを非表示/違反報告)
夏 - あー、頭がどうにも可笑しくなりそうです笑この作品を見ると、生まれた場所の東京と今居る田舎の県と、交わって感情移入がしやすいです。教えてくれたあの子に感謝。 (2017年1月21日 8時) (レス) id: ec0b94023c (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - この作品が占ﾂｸで一番好きです！いきものがかりさんのラストシーンにぴったりでこの曲をきくとこの作品を思い出してなきそうになります。お勉強頑張って下さい！ (2017年1月18日 20時) (レス) id: 092114e7d9 (このIDを非表示/違反報告)
なっぴぴ(プロフ) - 更新されててすごいびっくりしました！ほんとにうらつくの中で1番好きな作品です>_< (2017年1月18日 13時) (レス) id: d6fe05cabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2015年12月29日 10時
