☆165 ページ30
「俺向こうの席で打ち上げしてて」
「打ち上げ？」
「仕事の」
「そんなん知らないよ！」
廉と心愛ちゃんが話してるけど、
全く耳に入ってこない。
そしたらいきなり廉が私の方見たからびっくりする。
「おまえ！」
「な、に…」
「外で飲まんて言うとったやん」
「べ、べつにええやん…なんかそういう気分だったの！」
「にしても加減しろ加減を！心愛も止めろよ！」
突然の廉の登場に、頭が回らない。
さっきまで廉に今度会ったら聞いてやろう！って思ってたこと沢山あるのに
何も出てこない。
「とにかく、もう飲むな」
「…廉に関係ない」
「この前みたいになったら困るやろ、な」
「もういいからはやく打ち上げ戻れば」
廉が困った顔で離れていく。
向こうの方の大勢のお座敷へ入っていった。
仕事の、打ち上げ。
「びっくり、したねー…」
「……」
「Aちゃん？」
「普段はね、こんなんじゃないよ？もう大人だもん、自分のお酒の量ぐらいわかってるよ」
「……うん」
「けどちがうの、…廉のせいなの、気持ちがどうにもならないの。」
なんで、あんなに廉は平然としてるの。
こんなに私は動揺してるのに。
くやしい。
「あ…っ！Aちゃん飲んじゃダメだって」
「おねがい…もうやってられない」
「でも…」
「潰れたら、置いといてくれていいから」
「そういうわけにもいかないよー」
「…迎えにきてもらうから」
「え？だれに？」
「…………上司…」
「バイト先の？さっき言ってた画家の人？」
「…うん」
「…そのひとって、男だよね？」
「そうだよ」
「………彼氏？」
「廉にも、同じようなこと聞かれたー」
ショウさん、来てくれるかな…
私が避けてるの、たぶん気づいてる。
それにショウさん、運転できないし…
長妻くんのほうがいいかな。
でも面接の後とかだったら悪いなー…もしかしたら女の子といるかもしれないし。
「で？彼氏なの？」
「んーどうだろ」
「なあに、なんで」
「微妙な距離感で成り立ってる気がする」
つい最近までは、
ショウさんをそういう対象と思ってなかったし。
ただただ、頼ってしまう先輩って感じだったのに。
あの日…廉と再会して、ショウさんとそういうことをしてしまった日から、
ショウさんの目の色が、少しだけちがう。
ほんとうに少しだけ、
男の人の、目になる。
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れー。 - トラウマになりそうなほどに切なく物語を思い出すだけで胸が締め付けられます。こんなに感情が動いた作品は今まで読んできた小説で圧倒的に一番です。映画やドラマにしてほしいほどこの小説に惹かれてしまいました。大好きな作品です！ (2018年6月27日 10時) (
レス) id: 4792958e4f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一番好きな作品です！！もう、10回ぐらいは読み返しました笑 定期的に見たくなります！ (2018年4月1日 0時) (レス) id: 7fb9479a8f (このIDを非表示/違反報告)
夏 - あー、頭がどうにも可笑しくなりそうです笑この作品を見ると、生まれた場所の東京と今居る田舎の県と、交わって感情移入がしやすいです。教えてくれたあの子に感謝。 (2017年1月21日 8時) (レス) id: ec0b94023c (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - この作品が占ﾂｸで一番好きです！いきものがかりさんのラストシーンにぴったりでこの曲をきくとこの作品を思い出してなきそうになります。お勉強頑張って下さい！ (2017年1月18日 20時) (レス) id: 092114e7d9 (このIDを非表示/違反報告)
なっぴぴ(プロフ) - 更新されててすごいびっくりしました！ほんとにうらつくの中で1番好きな作品です>_< (2017年1月18日 13時) (レス) id: d6fe05cabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2015年12月29日 10時
