スターダスト・ノスタルジア ４

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ほんと、間に合って！
いや、既に会には間に合ってないけど！受賞者発表には間に合って！！


そんな祈りも虚しく、色んなお偉いさん方の長い挨拶も終わり、受賞者発表の時間になってしまった。

低い賞から次々発表されていく。
名前を呼ばれた受賞者は、ステージの上へ。

1人、また1人と呼ばれるたびに、
ドキドキしながら時をやりすごす。

ここまでショウさんの名前は…呼ばれなかった。

いよいよ、残すは最優秀賞のみ。

呼ばれるかな、呼ばれないかな、
呼ばれたらどうしよう、呼ばれなかったらどうしよう、

色んな感情を抱えながら、ギュッと目を瞑る。



・



呼ばれたのは________他人の名前で。


……ショウさんの名前、呼ばれなかった…
それに、結局間に合わなかった…

この後、なんて言って彼と顔を合わせればいいのか。


ステージ上の受賞者が泣いているのを、重々しい気持ちで見ながら拍手を送る。

そして、式は終わったかのように見えたのだけれど。





「ここで審査員特別賞の発表です、平野ショウさん」



一瞬耳を疑う。
え？いまなんて？


「平野ショウさーん。」


司会の人がアナウンスしている。
呼ばれた名前は、平野ショウ……

きょろきょろと周りを見渡しても、誰も名乗り出ない。…まだ、ショウさん来てない……。

ざわつき始めた会場。
急いでステージの方へ向かう。


「平野さん、いらっしゃいませんか？」

「いえ、あの！」


あげた声に、スタッフが反応する。
どうぞステージへ！と言われて抵抗するも、ステージ上へ追いやられてしまった。

わたし、平野ショウじゃないって…！


「平野さん、おめでとうございます。ご感想は？」

「や、ちが、…私、ちがいます」

「え？」

「私、平野ショウじゃないです」


またざわつく会場内。

ひいい、よくみたら凄いたくさん人がいる！
司会者が怪訝そうに問いかけてくる。


「はい…？平野ショウさんではない？」

「そ、そうです、あの、平野は…」


遅刻しております、だなんて、
言えるはずもなく。

どうしよう……


「失礼ですが、どちらさまですか？」

「えっと…」

「平野さんとはどのようなご関係で？」


どのような？関係？

極度の緊張で、わけがわからない。
日本語なのに外国語聞いてるみたいな。

えっと、えっと、関係…
大学の先輩後輩…？同じ会社で働いてる人…？
友達…？なんだろう…

この場が怖くて、固まってしまった私に、

聞き慣れた声が届いて
泣きそうになった。

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