☆151 ページ17
「あーあーこんな泣いてえ、明日顔ぱんぱんになってまうでー」
「……っう〜……」
「よーしよーし」
「……うっ、…子供あつか…してる、」
「こんだけピーピー泣かれたらさあ」
「ピーピーって！」
「だってそやもんっ。泣き虫ちゃーん」
ムッとして目を開けたら、
すぐにそれは消えてしまう。
私を見る、ショウさんの瞳が、
まるで愛おしいものを見るみたいな。
ショウさんと出会って、もう3年になるけれど、
そんな眼差しを、私に向けたのは初めてで。
いつの間にか、ベッドに腰掛けて、
私が零す涙を、ひとつひとつ、拭っていく。
ここで、言わなかったら、
もう次は無い気がした。
ここまでしてくれる人に、何も話さないなんて、そんなの許されない。
「……ショウさん…あのね…？」
「うん」
「さっ、き……の……」
「うん」
「………永瀬、廉…は、幼馴染です…」
「……」
「ショウさんの展覧会、…廉と、一緒に行ったの、私です」
「……」
「ひどいですよね、あんな…なんてことないみたいに、言うんですもん」
「……A、」
「…ほんとに、捨てられてたんだ…なんか、それ実感したっていうか、
「もういいよ」
誤魔化すみたいに止まらないそれに、気づいているんだろうか。
やめさせるみたいに、私の口を塞ぐ。
少しだけ、顔を離すと、
すごく近くに、ショウさんの瞳。
私だけが映ってる、綺麗な瞳。
じいっと、見つめ合う。
「…ほら」
「はい？」
「俺だけしか、みえないでしょ」
「ああ、そうですね」
「こうやって、俺だけ見ときなよ」
「……そうしていいですか？」
ショウさんの手が、私の頬に伸びる。
その綺麗な瞳が閉じて、また近づいてくる。
私も、目を閉じた。
「それが、いい」
直前で小さく呟いて、
そのまま口付ける。
1度軽く触れると、
啄むようなのが続いて
少しずつ少しずつ、深くなる。
ちゅっ、て音がするたび、
恥ずかしくて。
割って入ってきた舌に、ついていくことができない。
息が上がる。苦しい。
「……ぅ、…んんっ」
信じられないくらい甘い声が自分から出る。
はずかしい。こんなの。
ショウさんに聞かれてる。
本当に息が上がって、しんでしまいそう。ドンドンと彼の肩に抗議をすると、ようやく止まる。
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れー。 - トラウマになりそうなほどに切なく物語を思い出すだけで胸が締め付けられます。こんなに感情が動いた作品は今まで読んできた小説で圧倒的に一番です。映画やドラマにしてほしいほどこの小説に惹かれてしまいました。大好きな作品です！ (2018年6月27日 10時) (
レス) id: 4792958e4f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一番好きな作品です！！もう、10回ぐらいは読み返しました笑 定期的に見たくなります！ (2018年4月1日 0時) (レス) id: 7fb9479a8f (このIDを非表示/違反報告)
夏 - あー、頭がどうにも可笑しくなりそうです笑この作品を見ると、生まれた場所の東京と今居る田舎の県と、交わって感情移入がしやすいです。教えてくれたあの子に感謝。 (2017年1月21日 8時) (レス) id: ec0b94023c (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - この作品が占ﾂｸで一番好きです！いきものがかりさんのラストシーンにぴったりでこの曲をきくとこの作品を思い出してなきそうになります。お勉強頑張って下さい！ (2017年1月18日 20時) (レス) id: 092114e7d9 (このIDを非表示/違反報告)
なっぴぴ(プロフ) - 更新されててすごいびっくりしました！ほんとにうらつくの中で1番好きな作品です>_< (2017年1月18日 13時) (レス) id: d6fe05cabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2015年12月29日 10時
