♪ペットショップラブモーション番外総集編(tk×in)

極妻 1(tk×in+ ar) ページ28

side-ar



若頭が外から戻って来た。


俺ら下っ端は全員で出迎えに出る。


黒塗りの高級車から降りてくる、若頭は男の俺から見ても本当かっこいいと思う。


今日は何かあったのか、額に皺が深く刻まれてる。


えらく機嫌が悪そうだ。


……家で色々あって飛び出して荒れ放題に荒れて、行く当てのない俺を拾ってくれたのは若頭だ。

本当なら他の組の下っ端にボッコボコにされて、殺 られてたかもしれないのを偶然通りかかった若頭が仲裁に入って俺を引き取ってくれたんだ。

若頭の男気を感じて、ここでせっせと若頭の為に働いている。

若頭が仕事で疲れて帰って来た時に、少しでも癒されたらと、荒れ放題だって庭も綺麗にした。部屋も常に綺麗にしてる。…食事は…人間、得手不得手がある…。山田に任せた。


「お前が来てから、ここが過ごし易くなったな」


なんて、あのイケボで言われたら、俺は若頭が癒されるなら【腹踊り】だって辞さない覚悟だ。


–––––––なのに…。なのに…


最近、居着いた、あいつ……。


ほぼ、ほぼ、仕事なんてなんにも出来なくて、世間知らずで、俺様態度で…そりゃ、ちょっと、俺より顔が綺麗だよ…背もある。手足も長い…。確かに、可愛い〜かもしんない。

…でも、だからと言って、兄貴分の俺を差し置いて、一番前で


「たかきっ、お帰り〜。今日もお勤めご苦労様なのだ！」


っと、若頭の首にひっつくのはどうかと思う。


それを黙って許す、若頭も若頭だと思う！！


他の組員が苦笑いしながら


「いのちゃんは本当、若頭に惚れてますね」


っと、言ったその時


いのちゃんが、若頭から離れて、そいつを見て



　「うちは極道に、惚れたんやない。
　 惚れた男が、たまたま極道だったんや」



と、どこかで聞いたセリフを吐いた！！



それを聞いた若頭が


「あ・り・お・か〜〜。こいつに何見せたぁ〜？」


ああ？っと若頭が凄い怖い顔で俺を睨んでる。



––––––えっ？…俺が悪いの？


俺のせい？？



「大ちゃんの部屋にあった【極道の妻たち】」


っと、あっさりいのちゃんがゲロった。



その途端、俺は物凄い、殺気と共に若頭から首元の服ごと持ち上げられて


「なんで、こいつがお前の部屋でのんびりDVD鑑賞してんだっ？ああっ！！」

「極道って何って？大ちゃんに聞いたら、これ見ろって渡されたから…高木の部屋で見た。いけなかったのか？高木？」

「俺の部屋？」

2→←7(完)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す