22:Hercules ページ23
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4限の授業が終わって、夕方に隣の美大まで歩く。
今日は実弥君と一度も話さなかった。というか会ってないんだけど。
流石私立の美大だから門構えとその面が間違いなく豪華だ……。
来る人帰ってゆく人がたちまち皆お洒落で洗練されていて大人の人みたい。
「Aさぁあん!」
「…あ、蜜璃さん!」
「ごめんねぇ、待った?」
「全然! 今来たとこです!」
ぶんぶんと手を振りながらこっちへ走ってくるとりわけ可愛い女の人。
今にも乳房がまろび出そう…!! 思わず下から手を添えそうになる。
「改めて星奈Aです!」
「甘露寺蜜璃です! 今日はよろしくね! 同い年なんだから敬語は無しにして仲良くしよ〜!」
「よろしく!蜜璃…ちゃん?」
「ええ!」
今日は彼女に明後日の洋服選びを手伝って貰う。
さっきも幾度となく小芭内に注意されたから無礼は避けなければ…。
電車で移動してショッピングモールに着くまでに分かった事は。
蜜璃ちゃんは、マシンガントーカーだという事。
「どんな服で行きたいの?」
「ええと…実弥君から、スカートで来んなって言われてて」
「え! 激しく動き回るのかしら」
「行くのは水族館なんだけどね」
「不思議ね! 彼の言う通りにしましょ」
2時間かけてデートの服を選んでくれた。
ブラウスとテーパードパンツ、それから小物。
すっかり暗くなり蜜璃ちゃんとそのまま夜ご飯へ直行する。
「蜜璃ちゃん疲れてるのにありがとう」
「ぜぇんぜん疲れてないのよねそれが! 楽しかったしね!」
「えへへ、私も楽しかったあ」
「Aちゃん可愛い! 抱きしめたい!」
「可愛いのは蜜璃ちゃんです!」
大学に入ったらこんな風に女の子と遊ぶのが夢だった。
あんまり友達は多くない方だし人見知りはするから大学の唯一の親友が小芭内だ。
蜜璃ちゃんと知り合えて本当に嬉しい。これも全部小芭内のおかげ。
「また何かあったら連絡してね! それからデート楽しんでね! 進展あれば報告よろしくね!!」
「進展? 友達から親友になったら言うね!」
「やん、違うの! …とにかく頑張るのよ!」
「うん、今日はありがとう蜜璃ちゃん!」
東京駅でさよならして、そこから丸の内線に乗り換え15分程。
家路に着くと一気に疲れが出てベッドにダイブした後今日買った洋服を流し目で確認した。
「……ドキドキしてる…」
何故か無性に、実弥君に会いたい。
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おそらまめ(プロフ) - kさん» k様、過去作品にもいくつか触れて頂いているようで、とても嬉しいです。天才だなんて恐れ多いお言葉です……でも嬉しいです。k様が読みたくなるような作品を今後も作っていければと思っております。ありがとうございます(^^) (6月16日 2時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
k - まさかこの作品がおそらまめさんだったなんて、、、この作品もすごい素敵です!!!!おそらまめさんは天才ですか?? (6月15日 22時) (レス) @page50 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
yukino(プロフ) - この作品もとても面白いです!!!! 実弥さん最高です!! こんな面白い作品を書けるなんて尊敬します!! (2022年1月17日 19時) (レス) id: b465ac1425 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 美桜さん» 美桜様、ありがとうございます(^^)もう作者の実弥シリーズの作品だけでそれこそ短編集出せそうですよね(笑)そんな…嬉しい事を言って下さって…。懐かしいキャンパスライフの日々、思い出しますね…! (2020年11月27日 9時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - ううう、こちらも名作!本出してください!即買します!何回も読み返して、キャンパスライフを思い出してます(^-^) (2020年11月26日 12時) (レス) id: a2ac9ececf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年3月27日 0時