銀髪とスコーン【不死川実弥】

7:Betelgeuse ページ8

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「あれ……返信来なくなった」





不死川君と連絡を取り合って数分。
私のメッセージを最後に既読をつけたまま終わってしまった。

ずっと気になってたがまずかったかなぁぁ…。
普通に気持ち悪がられた？ やっちゃった。
LINEと違って送信取り消しできないから最悪だ…。





「……あの人不死川君だったんだ…」





不死川君て、今朝の人だよね？ 宇髄君って人と一緒にいた…。
もう会ってたんじゃん、私…。ど、どうしよう。
あんな怖い人…ていうか、あんな女子にモテる人と関わってしまった…！！





「A、お母さんもう寝るね。おやすみ」

「あ、おやすみ！」





扉の外でお母さんに話しかけられて時計を確認すると0時を回っていた。
明日は2限からだけどそろそろ寝よう。


返信のない携帯を閉じて充電器に挿して電気を消した。





「＿おはよう、小芭内〜」

「おはよう。体調管理が出来ているようだな。顔色が良い」

「うん、昨日早めに寝たから！」





小芭内とはまるっきり履修が一緒だから授業も全部一緒だ。
今日もマスクを着けている小芭内が私の顔を覗き込んで満足そうに鼻を鳴らした。





「…あ！ そうだ！」

「何だいきなりでかい声を出すな。どこから出るんだこんな小さい体のくせに」

「一言余計だよ。小芭内とあんまり変わんないじゃん。…じゃなくて！ バイト先に常連さんが居るんだけどね」





昨日の出来事を小芭内に話すと、いつも冷静沈着な小芭内の目が初めて見開かれた。
かと思うともう直後にはいつものように眉を顰めていて。





「何故あんな強面に気付かない？ 昨日だって会っただろう。お前の鈍感には呆れるな」

「だ…だってずっとマスクに帽子被ってたんだもん！
私だって分かってたら関わって無かったし…！」





小芭内と軽く言い合いをしてると、キャンパスが少し騒がしくなった。
授業終わりの人達が中から出てきたんだろう。


その中にとりわけ頭の飛び出た二人が女の子達に囲まれていた。





「あ……」

「また彼奴等か……。2日連続で会うとは不幸だな俺たちも」

「…っそ、うだね」





あの男の人が不死川君と知ったから妙に意識してしまう。
　…昨日、彼の投稿全部見ちゃったとか、言えない。





「A行くぞ。取り巻きに巻き込まれると厄介だ」

「…あ、うんっ」





小芭内に手を引かれながら女の子達の方を後ろ手に振り返る。
＿その時たしかに、不死川君と目があったんだ。





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