其ノ陸拾捌 ページ25
Noside
虎化した足で甲板を蹴った勢いで芥川に突進する敦。
その腕も再び虎化しており、凄まじい連打を繰り出す。
空間断絶で防御する芥川だが、その表情には少し焦りが見え始めていた。
「ちっ……」
「(矢っ張りだ。
空間を削る
ならこのまま
そう思った次の瞬間、敦の打拳が空を切る。
芥川は羅生門をリフトのように使い、自身の身体を高く空中へ移動させる。
「(空中に……!!)」
「餓鬼の殴り合いには付き合えぬ。
悪いがここから、貴様の奮闘を鑑賞させて貰う。」
羅生門が獣頭を持つ刃となり、牙を向いて次々と敦を襲う。
虎脚により、辛うじて逃げる敦だが──
「(この距離は奴の間合い……
なんとか近付かないと……!)」
その瞬間、敦は腹部に羅生門の凄まじい一撃を浴びると、そのまま吹き飛ばされ船体に激しく叩き付けられる。
「がっ……」
甲板が粉砕され、燃料パイプが激しく破損していく。
「(しまっ……!)」
破損したパイプから漏れたガスが引火し、爆発に巻き込まれる敦。
「(船が完全に沈没するまで、五分も無いな。
船艙の脱出艇を動かさねば……!?
爆発の破片に乗って跳躍を……!?)」
「でやあああああ!」
敦の虎腕の一撃が、遂に直接、芥川の頬に炸裂した。
その衝撃で吹っ飛んだ芥川の身体が、甲板に叩き付けられる。
「ゴホッ、ゲホッ……」
「能力発動が遅い!
敵は君が起きるのを待ったりしない。
立て!異能で反撃しろ!」
「ぐ……うわあああああ!」
芥川の黒外套が刃と化し、太宰を襲うが──
太宰の手に触れた瞬間、その羅生門は消失する。
「……!」
それと、同時に芥川に容赦無く蹴りを入れる太宰。
「!がは……!!」
「その程度では
それとも、貧民街の野良犬に戻りたいか!」
「!」
太宰の言葉を聞いて、ふらふらになりながらも、芥川は立ち上がる。
「よし、もう一度だ。」
壁面に座り込んで、呆然としてる芥川。
敦は辛うじて立っているが、満身創痍だ。
「(流石に傷を受けすぎた……
早く彼女を国木田さんの処に連れて行かないと……)」
その時──
鋭い槍となった羅生門が、背後から敦を串刺しにする。
「がはっ……!」
「何故だ……何故貴様なのだ!!」
「……!?」
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舞花 ひめ(プロフ) - るぅとさん» 有難う御座います!そう云って頂けると私も頑張れます!これからも応援、宜しくお願い致します。 (2019年8月22日 7時) (レス) id: 6d7eb9b273 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと(プロフ) - 更新お疲れ様です!! ご自分のペースでいいので頑張ってくださいっ (2019年8月18日 22時) (レス) id: 4ba8ceef5d (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - いずなさん» 有難う御座います!楽しみにして下さってる皆様の為にも、引き続き頑張って行きますので、これからも宜しく御願い致します。 (2019年7月8日 6時) (レス) id: 052a536090 (このIDを非表示/違反報告)
いずな - この物語面白いです!忙しいと思いますが更新頑張ってください!続き楽しみに待っています (2019年7月6日 2時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!更新頻度が落ちないよう努力していくので、これからも応援、宜しく御願い致します。 (2019年6月1日 18時) (レス) id: 90e19b9523 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年6月1日 8時