其ノ漆 ページ8
Noside
〜探偵社〜
「うぉんうぉん、いぇいぇ〜♪
しんじゅ〜は、ひとりじゃ、できないー♪」
ヘッドフォンで音楽を聴いている太宰。
「オイ邪魔だ。
全く、何故こんな奴が探偵社に……
我が理想にはこんな……」
苛立った国木田は、太宰からヘッドフォンを取り上げる。
「おい太宰!仕事は如何した!」
「天の啓示待ち。」
そう答える太宰の手にはヘッドフォンがあり、装着をするところだった。
国木田が、ハッとして手元を見ると、ヘッドフォンがない。
「ふたりなら、できるー♪
しんじゅうしんじゅ、
しんじゅしんじゅ、レッツゴー♪」
〜樋口たち〜
「アハハ……それは脅されましたねェ。」
樋口に連れられ、現場に向かう三人。
歩きながらも、ナオミは谷崎の片腕に抱きついている。
「笑い事じゃないですよう……
凶悪なマフィアとか、直ぐに死ぬぞとか……
途んでもない処に入っちゃった。」
「まァまァ、ボクでも続けられてるくらいだから、大丈夫ですッて。」
「でも、谷崎さんも異能力者なのでしょう?
どんな力なんです?」
「や、あんまり期待しないで下さいよ。
戦闘向きじゃないンですから。」
「うふふ……兄様の能力、素敵ですよ?
ナオミあれ大好きー」
と谷崎の耳に息を吹きかけるナオミ。
「止めなよナオミ……こんな処で。」
「あら口答え?生意気な口は、どの口かしら?」
兄妹だとは思えない程イチャつく谷崎とナオミ。
その二人を見て、敦は顔を赤くする。
その時──
「着きました。」
立ち止まって、周囲を見回す三人。
そこはビルの谷間の、人気の無い路地裏だった。
樋口は無言でその先を指差す。
「なんか……鬼魅の悪い処ですね。」
「……おかしい。本当にここなンですか?ええと……」
「樋口です。」
「樋口さん。
無法者と云うのは、臆病な連中で……
大抵、取引場所に逃げ道を用意しておくモノです。
でも此処はホラ……
捕り方があっちから来たら逃げ場がない。」
「その通りです。
失礼とは存じますが、嵌めさせて頂きました。」
樋口の態度が急に変わる。
そして、その冷たい目にガンゴーグルをかける。
「私の目的は、貴方がたです。」
樋口は携帯で連絡する。
「芥川先輩?
予定通り捕らえました。これより処分します。」
「芥川……だって?」
『重畳……五分で向かう。』
「我が主の為……ここで死んで頂きます!」
樋口は隠し持っていたサブマシンガンを撃ち放った。
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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います!涙香くん、可愛いですよね!私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる!応援してます。更新頑張ってください! (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです!▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい!応援してます! (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです!!この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます!!これからも、応援してます(´ω`*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年3月1日 7時