其ノ弐拾壱 ページ22
Aside
「洗脳について教えてくれたのも、その犯人だね？
裏切るように指示したって事は、外部の人間か……」
フッと笑う声が微かに聞こえた。
「全部、アンタの云う通りだ。
……姉さんを人質にされた。」
「その口振り……他の兄弟はいないみたいだね。
ってことは、唯一の肉親かな？」
「嗚呼。姉さんは、マフィアでしか生きることの出来なかった俺の生き甲斐なんだ。」
涙くんも大変だねぇ……
「ねぇ……涙くん。その犯人に復讐しない？
それに、多分まだお姉さんは殺されてないと思う。」
やっと顔を上げた涙くんには、先程とは違い、驚きと希望が滲み出ていた。
「如何してそう思う？」
如何してかぁ……
「涙くんが死んで無いから……かな。
ポートマフィアの裏切り者の運命は��死��のみ。
お姉さんを助ける為に、それを覚悟で組織を裏切るような従順な駒を簡単に捨てるのは勿体無い。
その駒を利用する為の道具を、そう簡単に殺したりはしないでしょ。
外部の人間なら、直接手出しはしたくないだろうし、新しいのを見つけるのも大変だし……」
涙くんは悩んでいるのか、黙っている。
「私が助けてあげる。
ただ……今日は休んだ方が良いよ。疲れたでしょ？
敵の情報は集めといてあげるからさ。」
「何でそんな事するんだ？
俺は組織を裏切ろうとしたんだぞ？」
戸惑ったような涙くんの声には、どこか喜びが含まれている気がした。
「何でだろーね？何でだと思う？」
「解らないから聞いているんだ。」
「少しは自分で考えてみなよ。」
そう云い乍ら、私は涙くんの拘束を解く。
「良いのか？」
「だって、そのままじゃ寝れないでしょ？
付いて来て。部屋は此方だよ。」
私専用の拷問室を出て、少し歩いた先にある仮眠室に涙くんを連れていく。
因みに云うと、此処も私専用。
他の仮眠室より広く、拷問器具が沢山置いてある。
「はい。今日は、此処で寝な。
色々あって、寝にくいとは思うけど、我慢して。」
「嗚呼。」
涙くんは、拷問器具を物珍しそうに眺めている。
…………子供の発育には悪影響だったかな？
まぁ、私が態々気にする事でもないか。
「……私戻るから。面倒なことに仕事あるし。」
んま、正直云うとそこまで面倒じゃないんだけどね。
「それじゃ、おやすみ〜
早く寝なよ？寝る子は育つって云うからね。」
涙くんが何か云いたげな目を此方に向けていたが、それを無視して仮眠室を出る。
部屋に鍵をかけて、目指す先は……
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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います！涙香くん、可愛いですよね！私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (
レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる！応援してます。更新頑張ってください！ (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います！頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです！▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい！応援してます！ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです！！この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます！！これからも、応援してます(´ω｀*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞花 ひめ | 作成日時：2019年3月1日 7時
