其ノ拾参 ページ14
Aside
ポートマフィアの本拠地に戻って、龍くんの部屋に行く。
「来たよ〜!」
中では、龍くんが書類と睨めっこしていた。
「書類?大変そうだね〜
って、私のせいか。仕方無い。手伝うよ。」
「いえ。直ぐに終わるので、大丈夫です。
それより……申し訳ありません。僕のせいで。」
「謝らないでよ。
それに、云ったでしょ、私のせいだって。
太宰サンがいるのを計算出来なかったのは、私のミスだし。」
「そんなことは──」
「慰めとかなら要らないよ。
……その代わりと云ってはアレだけど、樋口ちゃんのこと紹介してくれない?」
「樋口を?……はい、判りました。」
龍くんは書類を軽く片付け、私と共に部屋を出る。
「…………ねぇ、龍くん。」
暫くの沈黙の後、私は龍くんに話しかけた。
「?……何でしょう?」
「君、今から敬語禁止。」
「はい?」
「やっぱり、君に敬語を使われるのが厭なんだよ。
もっと昔みたいに接してほしいなぁ……」
「それが命令とあらば……」
「……命令じゃなくて、お願いとして聞いてほしいんだけど。」
何で判ってくれないかな?
「んまあ、君がそれで聞いてくれないなら、命令にするけど。
あと、私のことは名前で呼んでほしい。……ダメ?」
「…………判った。
僕も面倒だと思っていたところだ。
貴様の我儘として聞いてやろう。」
「ほ、ほんと!?やった〜!!
有難う!流石、龍くん!最高の相棒だよ〜!」
「……相棒になった憶えは無い。」
「ちぇっ。」
そこは譲ってくれないか。
「樋口の部屋は此処だ。」
そうこうしてるうちに、樋口ちゃんの部屋に着いた……らしい。
「樋口。」
「あ、芥川先輩!?」
「入るぞ。」
「は、はい!」
緊張したような震えた声で、返事する樋口ちゃん。
「そう緊張しなくていいよ〜」
龍くんが開けようとした扉のノブを奪い取るように握り、思いっ切り開ける。
其の瞬間、樋口の目が見開かれる。
「驚いてるね〜!樋口ちゃん。いい表情だよ〜」
固まっている樋口ちゃんに近付いて、顔をぐっと引き寄せる。
と云っても、彼女から私の顔は見えてないだろうけど。
「A。余りはしゃぐな。」
そんな私の首根っこを掴み、彼女から引き剥がす、龍くん。
「済まぬな、樋口。
この馬鹿変人が……迷惑をかけた。」
何が何だか判らず、キョトンとしている樋口ちゃん。
美人さんは、どんな表情をしてても可愛いなぁ〜
……と云うかさ──
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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います!涙香くん、可愛いですよね!私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる!応援してます。更新頑張ってください! (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです!▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい!応援してます! (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです!!この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます!!これからも、応援してます(´ω`*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年3月1日 7時