青空願ってまたあした青赤 (ページ2)

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青side

エレベーターで7階まで上がって、左に曲がって手前から二番目の個室、そこが淳太の病室。

淳太が階段から落ちて緊急入院になったのは1週間前のこと。

頭を打ったかもしれないとのことで急遽救急車で運び込まれ、検査とリハビリのために入院となったのだ。

どうして階段から落ちたかというと、運動音痴な淳太らしく階段を踏み外したようで、足をぽっきり骨折してしまったらしい。

ほんま、アホやと思う。

検査の結果、頭部に異常はなく、出血もなかったと聞いた時は心底ほっとした。

黄「お、流星来てくれたん」

大学生の淳太とは家が隣同士のいわゆる幼馴染というやつで、4つ年上のお兄ちゃんという感じや。

淳太の親に頼まれて、着替えを届けるついでに、顔を見せるという任務を任された俺は、広すぎる病院内を歩くのにもすっかり慣れてきたところ。

青「リハビリ進んどるの？」

黄「手術して少しずつな、痛みは良くなってきたからこれから頑張るところやな」

まだ自由に動けない淳太の代わりに、持ってきた手提げ袋をベッドの後ろの棚になおしていく。

黄「いつもわるいな。流星、今日部活は？」

青「今日は運動場使えんくて休みやってん」

小さい頃からしているサッカー。

それなりにうまい自信は持てるほどサッカーに時間を費やしてきたし、強豪校でのレギュラーも勝ち取っている。

高校総体の全国大会を控えていて、迫り来る夏が待ちきれない。

高校総体。

冬のサッカー選手権にはでない可能性もあるから、もしかしたら高校最後の大会。

大学でもサッカーをするかは分からんけど、悔いが残らないように最後まで走り抜きたい、その一心やった。

いつも背負ってるリュックの中には使い古したサッカーボールが入っていて、暇な時間があればすぐに足でころころ動かすものだから、親友には「サッカー好きすぎやろ、たまには勉強せえ」なんて呆れられたけれど仕方ない。

勉強は苦手やし、サッカーは俺の生きがいやから。

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