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青side


ポロポロと溢れる涙は止まることなく流れ出て、小さく震える身体があまりにも可哀想でそっと腕を回して抱きしめる。



赤「りゅ、りゅーせぇ、」

青「うん、なによ?」

赤「りゅーせっ」

青「ちゃんとおるから」



いよいよしゃくりあげて泣き出してしまった背中を擦りながら、なるべく柔らかい声で声をかけると涙で濡れた瞳がこちらを向いた。



赤「おれ、っほんまは、こわ、くて」

青「うん」

赤「しらん、ひと、から、、っころすって、、」

青「うん、」

赤「包丁、、さ、刺されて、、っ」

青「ん、ええから。大丈夫。1回落ち着こうや」



徐々に言葉が途切れて苦しそうな呼吸をし始めたから1度話すのを止めて大きく背中を摩る。



青「ゆっくりでええから。大丈夫、大丈夫やで」



鍛えているから小柄な訳ではないのに、腕の中のしげは一回りも二回りも小さく感じて、心が痛くなる。

後頭部に手を添えて半ば無理矢理に胸元に顔を押し付けると涙でシャツが濡れるのが分かる。

トン、トン、と優しく背中を叩きながら落ち着くのを待っていると、暫くして身動ぎをしたしげが顔を上げた。





赤「も、へいき、やから」



目を真っ赤にしながら少し申し訳なさそうに離れようとするから、強めに引き寄せると驚いた表情をしながらも素直に身体を預けるしげ。



青「落ち着いたん?」

赤「う、うん、、すまん」

青「謝らんくてええから」




疲れたのか、くたりと力の抜けた身体を支えながらまだ少し震える手を取ってそっと握ると、

赤「なんか、、なんやろ、」

流星の声聞いたら、安心しちゃって。

そう言われて、素直に嬉しいなと思った。

こうして弱いところを見せてくれて、よかった。



それが同期だからなのか、メンバーだからなのか、たまたまだったのかは分からないけど、今この瞬間しげが弱音を吐く相手に選んでくれたのがなんだか嬉しくて、ちょっとだけ誇らしく思えた。


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りく(プロフ) - はさん» 書くのが遅いかもしれませんが、それでも良かったら、、!リクエストいただけたら嬉しいです! (2022年6月28日 13時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストって募集中ですか?? (2022年6月25日 12時) (レス) @page45 id: 5cd6a02849 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いえいえ!これからも頑張ってください! (2022年3月15日 8時) (レス) id: b8e014e1da (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 碧さん» とんでました、、!碧さん、気づいてくださってありがとうございます! (2022年3月15日 7時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 「そばにいてくれたから」なんですが、1話分とんでいませんか?気のせいだったらごめんなさい! (2022年3月15日 6時) (レス) id: 9539863a6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りく | 作成日時:2022年3月2日 17時

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