はんぶんこ 2

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橙side


しげの様子がおかしいのに気付いたのはたぶん神ちゃんと同時。



やれど、ただ単に練習に集中出来ていないと言うよりは集中しようとしているけれど違うことに意識が引っ張られているように感じた。


神ちゃんに声をかけられてから確かに多すぎるくらいの水分補給は無くなったけど、しげの様子はおかしいまま。


体力がない望の様子をしっかり見ておくことに意識がいっている淳太くんや他のメンバーは気付いていなさそうやった。




時間が経つにつれて、無意識なのかしげが口元に手を当ててほんの一瞬フリーズする回数が増えてきて、ようやくこいつの体調が思わしくないことに気付いた。







橙「しげ、お前体調悪いんちゃう？」


休憩しているメンバーに聞こえないように声を抑えて問う。


みんなの前で問い詰めてもよかったけど、下手したらしげが意地を張って無理してしまう可能性もある。


タオルを口に当てたまま目を逸らすしげの両頬を挟む。




熱い。


発熱か、熱中症か。


時期的にたぶん後者やろうな。


意識は比較的はっきりしているみたいだから緊急性はない、はず。




橙「意地はらへんの。正直に言いなさい」


赤「……」


俺の手を振り払って、ついに顔まで逸らしたしげにほんの少しだけ苛立ちを覚えた時、ぐぷ、と喉から音がした。





今日何度目かのフリーズ。


タオルを持つ手がぎゅうと握られて、しげの喉が動く。



橙「待て待て、飲もうとすんな、吐いてええから」


静止したままのしげの背中を軽く摩りながら肩を強く押せばそのままずるずるとしゃがみ込んだ。


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