Agapanthus ' n.nkl ページ1
⚠ 高校生設定 ー nkl said
春、入学式でみんなが写真を撮る中
桜が散った中で見かけた彼女は
すごく綺麗な髪をなびかせていて、
あぁこれが一目惚れなのかなぁなんて思った。
同じクラスになれたのなんて素敵な運命で、
ましてや同じ委員会にまでなれて、話す機会が出来て。
『初めまして、中野…くん？であってるよね？』
「あ、初めまして。Aさんだよね？」
『正解！覚えてたのすごいね〜』
「まぁ、同じクラスなんで」
嘘。 同じクラスだからってだけじゃなくて、
あの日見た時からずっと目で追ってるから。
『全然下の名前で呼んでもらっていいからね』
「あ、じゃあAさんで」
『うん！よろしくね中野くん！』
彼女から下の名前で呼んでなんて言われたら
そうするしかないけど呼ぶ度に胸が高鳴って。
『ねぇ、中野くんってなんでそんな頭いいの？』
「授業しっかり聞いてたらなんとか、」
『そっか 笑
もしかして中野くんの席からだと私が寝てるの見えてる？』
「まぁ、寝てるなぁって」
『じゃあ起こしてよ、ひっどぃなぁ 笑』
「わかんないとこあるなら教えるよ？」
『ほんと！？いつ空いてる？』
勇気をだして言った言葉は僕なりの第一歩で。
それはそれは大きな一歩になって。
『1年間ありがとう！来年も同じクラスなれればいいね〜』
「そうだね」
『ねぇ？絶対思ってないでしょ 笑』
「そんなことないよ、委員会では
Aさん頼った部分も多かったし、」
『こちらこそ勉強では大変お世話になりました』
『あ！そういや、借りてたノート返しとくね』
「あぁ！ありがとう。」
『じゃあ！また始業式に同じクラスになれたら！』
「うん、ばいばい〜」
一年間はあっという間で、
来年も一緒ならいいななんて思いながら
貸してたノートを開くとひらりと落ちる封筒。
何かと思えば見慣れた可愛い字で
“中野悠 くんへ” なんて書かれたのが見えた。
すぐにケータイを開いて、
“ねぇ、3月14日って空いてる？”
なんて文面だけは冷静に送信した。
絶対この恋は逃したくない。
アガパンサス
⌇「恋の訪れ」「ラブレター」「知的な装い」
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作者名：枢 | 作成日時：2024年2月16日 0時
