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第02話 ページ3
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今日は目覚めがすこぶる良い！
天気も良い！すべて良い！
ついに今日！フジに会える！
にやにやしてしまう口元を抑えながら
私は準備を進める。
杏にAは絶対
二つ結びが似合うと断言されたので
その通りの髪型にした。
普段おざなりにしている
メイクもいつもより念入りにした。
「少しでも覚えてもらえたらいいなぁ…(ﾎﾞｿ」
口にしてからなぜか恥ずかしくなり
顔が赤くなるのを感じた。
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ‼ ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ‼
……⁉
急に鳴り響いた音に
1人でにやけていた私は
少し肩を揺らして
音の出所であるiPhoneを探した。
画面を見ると［杏］の表示
ん…？
時計を確認する
約束の時間まではまだあるし
どうしたんだろう
…ﾋﾟｯ
『ごめ…ｺﾞﾎｯ
風邪引いたわ…ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ…
行けそうに…ｺﾞﾎｯ…ないわｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ』
「えぇ⁉」
内心ショックだったが、
杏の体調が
あまりにも悪そうだったので、
ゆっくり休むよう言い聞かせ
キヨ…という遺言を苦笑いで受けてから
電話を切った。
時計を確認し、少し早めに家を出た。
まだ慣れない東京駅。
電車を乗ることにさえ、もたもたしながら
ようやく目的地あての電車を見つけた。
直前に控えた
幸せなひとときに
口元を緩めないよう
少し気を引き締め乗り込んだ。
――私の平凡な日常を変える1日が始まる。
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作者名：芽依子 | 作成日時：2015年11月29日 4時
