俺最弱説 (ページ16)

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スモークページ16

Aさんの目からは

いつもの優しさは感じられず

強さと、少しの怒りみたいなものが感じられた。

やっぱり

健「…怒ってます？」

A「いいえ」

その言葉とは反対に

体全体から拒否オーラが出てる。

健「じゃあなんでそんな感じなんですか」

納得いかない。

怒ってるならまだわかる。
でも怒ってないなら、なんでこんな拒絶されるのか。

A「あの…もう…なんていうか…やめて下さい」

健「…え」

ナイフがグサって刺さったみたいに

心が痛んだ。

こんな拒絶、されたことない。

A「私、もう行きますね。
ごめんなさい。」

----その後も、帰り際に少し顔を合わせたけど

あまり目を合わせてくれなかった。

--------------

優「お前飲み過ぎじゃない？」

夜、優達とクラブに来た。

酔いたい気分なのに、今日に限って全く酒が回らない。

健「あー痛い。心が痛い。」

親太郎「一番辛いよね、いく前にフラれるパターン」

優「まぁたまにはフラれるのもいんじゃない？」

健「人ごとだと思って」

女A「えー健くん失恋したのー？」

女B「私が慰めてあげよっかー？」

親太郎がナンパして来た女がうるさくて

VIPルームを抜け出した。

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千鳥足でフロアに降りると

地面がグワンって歪んだ。

健「・・思ったより酔ってるわコレ。」

人混みに身体を任せて

適当に音楽にのる。

目を閉じると、水平感覚が奪われて

気持ち良い。

倒れないように、

ふらつきに合わせて瞬きをする。

脳みそはもう眠ってしまったのか

幻覚が見える。

斜め前の女の人が、Aさんに見える。

健「ヤバイな、俺。笑」

そろそろVIPルームに帰ろう、と思った時

思いっきりバランスを崩して

隣の人に支えてもらった。

健「...すみません」

慌てて身体を持ち直して

また歩こうとするんだけど

うまく歩けない。

健「やっば。吐きそう。」

トイレどっちだっけ

だめだ、目が霞んできた。

そんな時

後ろから、フワッと支えられた。

「大丈夫ですか」

えっ

この声……

振り返ると、Aさんみたいな人。

健「…Aさん…？」

A「歩けますか？」

Aさんみたいな人は

Aさんだった。

健「気分悪い」

A「トイレ、こっちです」