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「そうか……Aちゃん、君のスタンドは確か、眠りを操る…」
「断りもなくすみません。少しちくっとしただけなので、1分もすれば目が覚めると思います」
「た、助かったぜ…」


仗助とジョセフは揃って大きく息をついた。

Aは勝手なことをしたとひどく申し訳なさそうにしていたが、ジョセフが笑ってそれをなだめる。
優しさ故の行動を責める理由はどこにもない。

必要なときに力を発揮できるのは良いことじゃよ、と言われてようやく肩の力を抜いたのは、Aにとってまだスタンドが馴染み深いものではないからだろうか。


「Aおめー、大分コントロール上達してんじゃあねーか?子守のバイトに向いてるぜこれ」
「寝かしつけにしか使えないけどね。それにしてもこの子のスタンド能力、すごく強力だね」


袖口から先が消えた右手を、Aはしげしげと眺めている。おそらく、ぐーぱーと動かしているのだろうが、向こうの景色が透けて見えるだけだ。

Aの言った通りに目を覚ました赤ん坊は、すっかり機嫌が良くなっていた。じきに消えた部分も元に戻るだろう。


「しっかし、店ん中に連れてくのはちこっと早かったんじゃあねーの?」
「普段はとても良い子なんじゃがのぉ。びっくりさせてしまったのが悪かったようじゃな。人が多いところに行けば、ひょっこり母親が見つかるかもしれんと思ったが…また今度にしようか」


よいしょ、と側にあったベンチに腰を下ろしたジョセフが、ぽやんとした目で仗助とAを見上げる。


「わしはここでこの子と休んでおるよ。2人は買い物に行っておいで」
「はいそーですかァ、なんて言うわけねーでしょー。あんなことがあった後で、じじい一人にしとけるかよ」
「じゃあ、私がジョースターさんと一緒にいるよ?手が戻るの、もうちょっとかかりそうだし」


ご老人の体力に合わせず自分のペースで買い物できるというのも魅力的な話だ。けれど今の仗助には、ここでぼんやり時間を浪費するのも楽しそうだと思えた。


「俺も今度でいーや。身内の面倒をおめーにまる投げすんのも悪ィしな」

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こうもり - あげなすびさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2022年9月14日 7時) (レス) id: 9309100d6a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 面白いですっ...!!これからも応援します! (2022年9月14日 0時) (レス) @page3 id: a4623d5dd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こうもり | 作成日時:2022年9月3日 22時

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