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「やはり君とは波長が合うようだな。僕の目に間違いがあるはずもないがね」
「……」
「クソったれとアホに囲まれた康一くんを心配していたんだが、まともな友達もいたようで安心したよ」
「…何目線なんですか。というか、何か御用ならおっしゃっていただけませんか?」
「実はこれから亀友に取材に行くところでね。せっかくだから連れて行ってやろうか?」
「はい……?」


どうしよう、この人が本気で分からない。
返答に困るAを見て、露伴の顔がみるみる不機嫌に染まっていく。


「僕がわざわざ声をかけてやってるんだぞ。有り難いとは思わないのかい」


こちらとしてはそこまで強気に出られる理由が謎である。どうして自分の誘いがそんなに魅力的だと思えるのだろう。

脳内で出したSOSの行き場はない。
一瞬仗助の顔が思い浮かんだが、ここに彼がいるはずもなく、いたとしてまた一触即発の空気になっても困る。
Aはすぐに神頼みをやめた。


「おや、奇遇じゃあないか康一くん」
「露伴先生?…と、Aさん!?」


しかしパッと顔を上げた露伴の一言は、まさしく天の助けだった。
釣られてAが通りの向こうを見ると、目を丸くした康一が駆け寄ってきた。


「何でまたAさんと一緒に……まさか困らせてたんじゃあないでしょうね」
「人聞きの悪いことを言わないでくれるかい?心無いことをしていたのは彼女の方だ」


露伴はかなり自分目線に偏った事のあらましを説明すると、最後に「君もどうだい」とまた誘い文句をくっつけた。Aの同行は確定しているらしい。

康一は隠す気のないため息をつくと、しょうがないなあと白旗を上げた。Aさんが心配だし、と目配せしてくれる彼は心底人が良い。


一癖も二癖もある人物でも、きっと彼の人柄の良さに惹かれるのだろう。

そんなことを考えていたら、Aがちょうど思い浮かべた女の子のシルエットが遠くに見えた。けれど次の瞬間にはそこには誰もおらず、気のせいだったのだろうかと首をかしげる。


「Aさん、どうかしたの?」
「今、由花子さんがあそこにいたような気がしたんだけど…」
「ええっ!?」
「最近、なんだか調子が悪いように見えてたから……心配しすぎて見間違えただけだったのかな」
「…それって、Aさんが僕達のこと名前で呼んでくれるようになったからじゃあなく?」
「うん。そのことで何か言われたことはないもの」

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こうもり - あげなすびさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2022年9月14日 7時) (レス) id: 9309100d6a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 面白いですっ...!!これからも応援します! (2022年9月14日 0時) (レス) @page3 id: a4623d5dd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こうもり | 作成日時:2022年9月3日 22時

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