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今、レイヴィング・ナイトはAの何かを眠らせた。
目は見えている、視覚ではない。
…まさか、絵に対する興味感心を根こそぎ眠らせたというのか。本体であるAが意識するよりも、ずっと早く。


「興味深い。だが君の目はしっかり見えている。つまり、僕のスタンドがより早く強くなれば、押し勝てるということだッ!」
「ッ、レイヴィング・ナイト!」


露伴がペンを構えた。Aをスケッチしたときのように、風を切るほどに早い。

そのペン先が虚空に光る線を描いたように見えて、Aはたまらずスタンドの名前を呼んでいた。


明確なビジョンなんて浮かんでいなかったけれど、レイヴィング・ナイトは狂いなく動いていた。

露伴の絵が形になる前に、肩から飛ばした針がペンを叩き落とす。
反対の針が露伴の右腕に絡んで、その先端を手の甲に突き立てた。


「何だ…!?手が急に動かなくなったぞ!?」


どくどくと煩い自分の心音を聞きながら、Aはまた教えられたことを思い出していた。


ーースタンド使いは引かれ合う。


偶然に見えるこの出会いも、避けようのない必然なのだろうか。

出くわすスタンド使いが皆友好的とは限らないと言われたが、こんな風に突然能力を使われるのが当たり前なのか?


そのときだった。
背後に別の気配を感じたのは。


「あれェ〜?誰かと思えば、漫画家先生がこんなところで何やってんスかぁ?」
「東方くん…!」


片手にポケットを突っ込んで、仗助がそこに立っていた。見上げる形にも関わらず、顔に影が落ちているように見える。

砕けた口調は親しみやすさを感じるはずなのに、今は挑発的にしか聞こえない。

さらには、既にクレイジー・ダイヤモンドが背後で臨戦体勢をとっていた。


「これはこれは。東方仗助じゃあないか。相変わらず態度の悪い奴だ」
「ダチが危ねェ奴に絡まれてんの見て、頭に来ねー奴がいまスかね」
「ほう。やはり天崎A、君は康一くんの友達だったのか。通りで興味が湧くわけだよ」
「あんたまたスタンド能力で…ッ!」
「おいおいおい、勘違いしないでくれよ。スタンド攻撃を受けいてるのは僕の方だ。見ろよ、腕が動かない。漫画を描くどころか線も引けやしないんだぞ、どうしてくれる」


Aを庇うように立った仗助が、ちらりとこちらを振り返った。怒気で光る目に射抜かれて、体が竦む。

けれど彼はAを責めることはなかった。

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こうもり - あげなすびさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2022年9月14日 7時) (レス) id: 9309100d6a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 面白いですっ...!!これからも応援します! (2022年9月14日 0時) (レス) @page3 id: a4623d5dd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こうもり | 作成日時:2022年9月3日 22時

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