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No.2 ページ3

神山智洋、それが幼馴染の名前



小さくて可愛くて、でも男らしくて

自慢の...いや、愛しの幼馴染





恋心が芽生えたのは多分必然やった。

物心ついた時から隣同士で、毎日誘いに行くのは俺の役目やった。



にこにこと見ているこちらが幸せになるような笑顔で、とてとてと着いてくるともが可愛くて可愛くて仕方がなかった。


【この子は俺が守るんや】


でも勝手に燃え上がる使命感は思わぬ形で終わりを迎えた。




俺が連れて行った先の川で、ともは死にかけた。絶対この子を守るって決めてたのに、幼くて無力な俺は手を伸ばしてもその手を掴むことが出来なかった。


「ともっ!ともっ!」


そう叫び続けた。

そんなことしか出来なかった。



なんとか一命を取りとめたともの手を固く握りしめて家路に着くものの、頭の中は真っ暗で何も考えられなかった。

自分のせいで大好きな人の未来を奪い取ってしまうかもしれなかったと考えるだけで、繋いでいない方の手が小刻みに震える。


「俺のせいや…」


思わず口をついて出てしまった言葉。慌てて隣を確認するも、ともは気付いた様子もなくぼーっと歩いている。

ともは優しくて他人のことを優先するような人間だから、こんなことを俺が言えば自分を責めてしまうだろう。



ぐっと堪えた後悔を悟られないように家まで送り届けて、そのまま自分の家まで走った。

全身の震えと止まらない涙を止めようともせず扉を開けて、自分の部屋まで転がり込んだ。


「もう、これ以上…」



大好きだから、

失いたくないから、

自分から君を遠ざけることにした。



朝の誘いも、

大きな声で君を呼ぶことも、

全部全部やめた。



君が訪ねて来ても避け続けて、気が付けばもう訪ねて来なくなった。

お互いに歳を重ねて、ともの近況は人伝いに聞いていたが、自分から関わりに行こうとする気はさらさら無かった。



ともがどう思っていたのかは知らないけど、何言うてんねんと思われるかもしれないけれど、俺がともを好きな気持ちだけはずっと変わらなかった。


光を奪おうとして、光が濃くなった。

皮肉にも、あの事件がともへの想いを強くさせたのは事実だった。

No.3→←赤side story〜出逢い〜



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ハチミツ(プロフ) - かこさん» ご感想ありがとうございます。返信が遅くなってしまい、申し訳ありません…。そう言っていただけると、書くモチベに繋がります!低浮上ですが、今後もよろしくお願いします! (2021年6月10日 8時) (レス) id: 35042e2505 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - お久しぶりです( ; ; )この作品大好きなので更新再開してくださって本当に嬉しいです!ありがとうございます( ; ; ) (2021年3月3日 15時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!!!!! (2020年2月25日 23時) (レス) id: e4df3d7976 (このIDを非表示/違反報告)
( ^ω^ ) - stand by me めちゃめちゃ好きです!番外編がみれてとても嬉しいです!楽しみにしてますね! (2018年9月21日 14時) (レス) id: 24ab54fcbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハチミツ | 作成日時:2018年9月21日 2時

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