〜背けられた女戦士〜1 ページ1
無音で揺れる事のない空中輸送ドッグの中は、ケロロの大きな独り言で煩かった。
「全くルココ殿ったら、我輩の説明聞かないで行っちゃうモンだから、拾いに行くタイミング分かんねっての」
空いた所に桃色の毛布が敷かれていて、その上でルココが横たわっている。
エネルギー反応を計測していたクルルが、固定元素分解銃(コノゴロハヤリノオンナノコガン)の使用の瞬間にいち早く気が付いた。
しかし、意識を失い落ちて来るだけのルココを拾いに行ける程の元気はないし、彼自身の分野を考えても拾いに行くつもりもない。
そのため次に気配で気が付いたドロロが率先して駆け出したのだ。
意識は失っているものの、危険な状態と言う訳でもなく、ルココの表情はむしろ安らかだ。
そういう訳もあり、ケロロは普段通りの口調で、その辺に置いといて、と言ったのだ。
しかし、冷たい床に放って置くのも如何なものかと思ったドロロとモアが毛布を用意して丁寧な対応をした、という訳だ。
因みに桃色の毛布を提供したのはモアである。
「てか、模倣キルルに乗っ取られた時はホントビビったわー。勘弁して欲しいであります」
ケロロの大きな独り言は続く。
小隊の誰に話している訳でもないのだ。
「……まあ、ルーラー作戦に選抜されたって時点でヤバいんでありますよね」
ピクリとそれぞれの小隊員が反応した。
「あの閃きは縛られる物ではないでござろう」
「おい、ドロロ」
「あっ……ごめん」
ふとドロロの口から漏れたケロロへの応答に、ギロロが焦って制止した。
幼馴染だからこそ分かるのだ、ケロロの大きな独り言に反応してはならない、と。
もし反応してしまうと。
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えび - 作品を止めず、こんなにも素敵な作品を書いてくださりありがとうございます! (2023年1月17日 18時) (レス) @page13 id: bc671477ba (このIDを非表示/違反報告)
さいしょー - すッッッごい…(小並感)感嘆符しか出ません。素敵な小説をありがとうございます。文句無しの満点です!! (2021年2月15日 2時) (レス) id: 1ab27d2bd4 (このIDを非表示/違反報告)
時々雨(プロフ) - コメント失礼します。読んでいてとても楽しかったです!惹き込まれるような素敵なお話に出会えて本当によかった!あなたのおかげでケロロ軍曹に惚れなおしました。また惚れに戻ってきます笑。本当にありがとうございました! (2020年6月14日 23時) (レス) id: e19e288338 (このIDを非表示/違反報告)
戦鶴 - 本当にありがとうございます。長くなってしまいましたが、続き楽しみにしてます。ありがとうございました。 (2017年3月16日 23時) (レス) id: 161d2f6574 (このIDを非表示/違反報告)
戦鶴 - はじめまして。とても素敵な作品をありがとうございました。自分は最近軍記物などにはまってきたのでとても楽しく読ませていただきました。そして最後のあとがきを読み自分も小説を途中で止めてしまっていることを思いだしまた書こうと思えました。 (2017年3月16日 23時) (レス) id: 161d2f6574 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クローン | 作者ホームページ:ホームページはありません。
作成日時:2015年5月31日 6時