〜古池に飛び込むかわず〜2 ページ8
「日本国内の範囲だったから良かったものの、異国であったらどうするつもりであったのでござろう」
「ケロロさんって話術に長けてらっしゃるんですね。噂はかねがね聞いていたんですが」
「隊長殿は昔からああでござるからなぁ」
ドロロとルココの会話こそ呑気であるが、現状はそうでもない。
顔を見せ始めた朝日を背にして、家々の屋根の上をかなりの速さで駆け抜けている。
フライングボードで移動すれば良いのだが、ドロロにとっては走った方が速いし、ルココはそれを聞いて自分も付いて行くと訓練感覚なのだ。
声だけが空間に浮き出ているように感じられる。
二人が駆け抜けた後には一陣の風が吹く。
それは朝焼けの心地良い風として地球に囁く。
閑静な住宅街を通り、高速道路に乗り、トンネルの暗闇を抜けて。
トンネルの深緑と対比する人工的なコンクリート。
一つの工業地域が見えて来た。
コンテナが規則的に整列し、煙突からは控え目に灰色の煙が出ている。
煙と同じ様な灰色の工場がずらりとならび、そこに自然はない。
ドロロは顔をしかめた。
「拙者……地球にこの様な設備があるとは聞いていたでござるが、まさかこのような物とは……。文明とは悲しい物でござる」
「宇宙の辺境と言えどここまで発展途上とは思いもしませんでした」
ルココはペコポンの称する文明の古さに唖然とする。
ケロンでは環境問題はとっくの昔の事である。
今のペコポンを見て正直なところ過去に飛ばされた気分だ。
「さて、確か西方に目的の物があると聞いたでござるが」
ドロロがわざとらしく一息ついた。
瞬間ーー。
キィンッーーーー
鋭い音が響き渡る。
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クローン(プロフ) - Say akaさん» 有難うございます。番外編やら続編やらは後々ひっくるめてお話しようと思っておりますので、今暫くお待ち頂けると有難いです。 (2015年5月3日 16時) (レス) id: d8750a893b (このIDを非表示/違反報告)
Say aka(プロフ) - この小説凄くいいです!!これからも更新頑張ってください(^ー^)ノあと、番外編とか作りませんか? (2015年5月2日 13時) (レス) id: f86aeafa04 (このIDを非表示/違反報告)
クローン(プロフ) - 清河清明さん» 紹介されるような物である事に恐縮です。書き方とかはようやく整って来たので何とも言えませんが、そこが仇になる事もあるので良かったです。コメント有難うございました…! (2015年3月26日 12時) (レス) id: d8750a893b (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - こんにちは。友人の紹介で読んでみたら予想以上に面白く、通信規制の一歩手前までいってました(笑)台本小説でもなくスーパー完璧少女でもない彼女の生き様に久々に胸熱でした (2015年3月24日 18時) (レス) id: 07f2a719b6 (このIDを非表示/違反報告)
クローン(プロフ) - 名無しさん» おわわわ…! こちらこそコメント有難うこざいます。この作品に世界観なる物が作れていたようで光栄です! (2015年3月1日 7時) (レス) id: d9f1c78e75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クローン | 作者ホームページ:ホームページはありません。
作成日時:2015年1月11日 8時