〜地獄へのカウントダウン〜6 ページ44
「ドイツん時に警報器が誤作動したって話、覚えてるか。あん時みてえに妙な事が何度か起こってんだよ」
ルココはこちらを向かないクルルの瞳を彼の分厚い眼鏡越しに見る。
自分達が気付かなかっただけで、その様な事が何件かあったというのか。
知らぬ間に積み上がった謎、思い返せば不可思議な事は幾つかあった。
「まず、誤作動っつー方向で行くと模倣キルルが初めてペコポンに来た時だ、ジャミングがかかってたんだよ」
「ジャミングですか……?」
ルココは頭に疑問符を浮かべた、無理もない。
模倣キルル初戦でモアとケロロの通信時にケロロ側にノイズが混じった事があった。
しかしこれは地下基地からは何ともなく、ケロロ側の電波の収集によって発覚した事だ。
地下基地ではケロロの声は明確であったし、通信においての問題は現状起きていなかった。
「こっちじゃ起きなかったけどなァ。それから少し機械からは離れるが、三次元装甲の時の作戦覚えてるよな……流石に。アレをオッサン三人に任せなかったのにも共通の訳があってな。加えて日向弟が拉致られた時の言葉に、キルルのコピーについてだとかも……」
クルルがこれまでの事をランダムに挙げて行く。
「ちょっと待ってください。それって全部ワタクシがここに来てから起こった」
「ああ、そうだよ」
クルルの冷たい声が飛んだ。
ルココは酷く落胆した。
ルココはこれまでに起きた事全てが彼女の瞳とベルトに関係あるのだと言われている気がした。
全て自分のせいなのではないかと不安になった。
そしてそう思って、否定してくれる事を願ってクルルの話を遮ったというのに、次に出て来た言葉は肯定なのだ。
「気付いてんだろ」
クルルがようやくルココの方に向く。
見えもしない彼の瞳がルココを射抜いた。
「これら全部に共通してんのは」
言わないでくれ。
頼むから。
「アンタなんだぜ。ルココ伍長さんよ」
ひゅ、とルココの呼吸が途絶えた。
胸が塞がり、喉から酸素が消えて行く。
「一個ずつ種明かししてやるから聞け。まずはジャミングだ」
ルココはどうにか理性を保ちながらクルルの話に耳を傾ける。
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クローン(プロフ) - Say akaさん» 有難うございます。番外編やら続編やらは後々ひっくるめてお話しようと思っておりますので、今暫くお待ち頂けると有難いです。 (2015年5月3日 16時) (レス) id: d8750a893b (このIDを非表示/違反報告)
Say aka(プロフ) - この小説凄くいいです!!これからも更新頑張ってください(^ー^)ノあと、番外編とか作りませんか? (2015年5月2日 13時) (レス) id: f86aeafa04 (このIDを非表示/違反報告)
クローン(プロフ) - 清河清明さん» 紹介されるような物である事に恐縮です。書き方とかはようやく整って来たので何とも言えませんが、そこが仇になる事もあるので良かったです。コメント有難うございました…! (2015年3月26日 12時) (レス) id: d8750a893b (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - こんにちは。友人の紹介で読んでみたら予想以上に面白く、通信規制の一歩手前までいってました(笑)台本小説でもなくスーパー完璧少女でもない彼女の生き様に久々に胸熱でした (2015年3月24日 18時) (レス) id: 07f2a719b6 (このIDを非表示/違反報告)
クローン(プロフ) - 名無しさん» おわわわ…! こちらこそコメント有難うこざいます。この作品に世界観なる物が作れていたようで光栄です! (2015年3月1日 7時) (レス) id: d9f1c78e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クローン | 作者ホームページ:ホームページはありません。
作成日時:2015年1月11日 8時