検索窓
今日:29 hit、昨日:5 hit、合計:45,453 hit

〜我ら若手兵〜14 ページ38

日向家に帰還し、秘密基地司令室の扉が開くと共にタママとルココは挙手の敬礼をした。


「ルココ伍長、タママ二等! 只今、無事帰還致しましたッ」


ルココがそう言い放つと共にケロロ、ギロロ、ドロロ、モアが一斉に駆け寄って来た。


「タママ! ルココ殿!」


「軍曹さぁん!」


ケロロが一番に駆け寄るとタママはケロロに抱き付いて、嗚咽と共にボロボロと泣き始めた。


そして、それをケロロが頭を撫でながら慰める。


酷く不安でたまらなかったのだ。


ルココも釣られて泣きそうになるが、そこはグッと堪える。


ケロロの代わりにこちらを向くギロロとドロロに戦果報告を伝えねばならなかった。


ルココはスコープを外し、クルルに渡した。


それから、彼女は毅然とした態度を崩さぬように話し始める。


ギロロもドロロも真剣な眼差しでルココの言葉を聞いていた。


事務的な内容を伝え、最後にルココはタママの事に関して謝罪をした。


そして数秒の沈黙の後にギロロが口を開く。


「よく戻って来てくれた」


凛とした声がルココを安堵させた。


先程泣きそうになったのはタママに釣られたからじゃないのだと彼女は気付く。


彼女の心は一気に緩み、顔がくしゃっと歪んだ。


軍人だからとてーー。


ルココが俯くと、ぼたぼたっと数滴の雫が零れる。


軍人だからとて、泣いてはいけない訳ではない、死に対する恐怖がない訳ではない、人間味がない訳ではない。


軍人だからとて。


黄色の瞳が揺らぎ肩が震える。


ルココは声を噛み殺して泣いた。

〜過去にすれ違った悪魔〜1→←〜我ら若手兵〜13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:ケロロ軍曹 , ケロロ小隊 , 軍旗   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

クローン(プロフ) - Say akaさん» 有難うございます。番外編やら続編やらは後々ひっくるめてお話しようと思っておりますので、今暫くお待ち頂けると有難いです。 (2015年5月3日 16時) (レス) id: d8750a893b (このIDを非表示/違反報告)
Say aka(プロフ) - この小説凄くいいです!!これからも更新頑張ってください(^ー^)ノあと、番外編とか作りませんか? (2015年5月2日 13時) (レス) id: f86aeafa04 (このIDを非表示/違反報告)
クローン(プロフ) - 清河清明さん» 紹介されるような物である事に恐縮です。書き方とかはようやく整って来たので何とも言えませんが、そこが仇になる事もあるので良かったです。コメント有難うございました…! (2015年3月26日 12時) (レス) id: d8750a893b (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - こんにちは。友人の紹介で読んでみたら予想以上に面白く、通信規制の一歩手前までいってました(笑)台本小説でもなくスーパー完璧少女でもない彼女の生き様に久々に胸熱でした (2015年3月24日 18時) (レス) id: 07f2a719b6 (このIDを非表示/違反報告)
クローン(プロフ) - 名無しさん» おわわわ…! こちらこそコメント有難うこざいます。この作品に世界観なる物が作れていたようで光栄です! (2015年3月1日 7時) (レス) id: d9f1c78e75 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:クローン | 作者ホームページ:ホームページはありません。  
作成日時:2015年1月11日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。