【ケロロ】軍旗を掲げよ３【ケロロ小隊】【完結】

〜我ら若手兵〜10 ページ34

「ルココ、せんぱい……」


くすぐられる様な感覚にルココはそっちを見た。


タママが身を震わせながら、ルココの腕を掴んでいる。


タママの瞳には今にも溢れそうな涙が浮かんでいて、辛うじて表面張力で乗っかっているところだ。


頼りに出来るのはルココしかいない、タママの視線はそう語っている。


何だかんだでタママもまだ子供だ。


ルココは決心した。


ーー面目のなさに潰れている場合ではない。


彼を救うのは自分しかいない。


やらなきゃーー


ルココは目を転じた。


そして腕に顔をうずめているタママの頭に優しく手を置く。


「タママさん、大丈夫です」


優しくタママの頭を撫でて、そっと頬に触れる。


タママが涙で濡れた顔をあげると、一筋の雫がルココの手に伝った。


まだ尻尾も取れていない兵をルココは泣かせてしまった。


「可能性はゼロでありません、考えましょう」


ルココはタママの瞳を真っ直ぐに見て微笑んだ。


脱出する手口が見つかった訳ではないが、これ以上タママを不安にさせる訳にはいかない。


「はい、ですぅ……」


涙声はしっかりとしていた。


ルココは目を閉じて考え始める。


ーーケロロさん達もこちらへのコンタクトは取っているだろう。


けれど、こちらからの連絡が不可能という事は、向こうからも不可能だろう。


となると外からの助けを待つのは良いとは言えないな……。


しかし、こちらから模倣キルルに干渉して体力が減ってしまうのも問題だ。


持久戦になるとしたら、体力は温存しておきたいところね。


タママさんは体内エネルギーを集積し外部に放出するという戦い方をする。


基本的にケロン人はビームが使えるけど、前にやったら結構体力消費するしなぁ……。


タママさんの技は、いざって時以外には使わない方が得策よね。


そういえば、クルルさんから指示されてたから使わなかったけど、実弾使うとどうなるのかしら。


実弾以外って言っていただけあって、やっぱ止めといた方が良いのかもなぁ。


それとも取り込んじゃうのかな、でも意外といけたりしてーー


「よし！」

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