〜万有引力は夢を見る〜3 ページ16
そして家事当番の終えたルココはモアのいる指令室にいる。
ケロン人に合わせたじめっとした湿度の高い指令室で、モアはモニターを見ながらコンソールを触っている。
地下を突き進むマグマ・スイマーを見ながらルココはスターフルーツをかじる。
ぽけーっとタママの席に座って、モアを凝視するルココ。
健気な少女だと思う。
ーーそういえば、現地に赴く事は少ないけど、任務に毎回参加してるよねーー
「二百メートル前方、岩石確認。左に避けて下さい」
スターフルーツを何切れか残してモアの誘導を聞く。
恐怖の大王がどうして。
ケロンとアンゴル族は同盟関係にあるが、それとこれとは結びつかない。
宇宙の中でケロンは高等の種族であるのは確かだが、アンゴル族はその上の上の、更に上を行くケロンとはかけ離れた程の能力を持つ種族である。
そのような種族が何故ケロンと……いや、厳密に言えばケロロ軍曹と。
ヘッポコでマヌケでお気楽な軍人。
釣り合わないと思った。
けれど、ケロロ小隊の手伝いをするモアは断罪者の目をしていない。
綺麗に透き通る瞳は純粋で。
全惑星が恐れる大王の面影はなく、美しく広がる世界を見つめている。
「では、一旦切りますね。てゆーか一時中断?」
モアがモニターを切って、伸びをした。
「お疲れ様です。どうぞ」
ルココは残りのスターフルーツをモアに渡した。
モアは丁寧にお礼を言って一口かじる。
「モアさんは……何故侵略の手伝いをするんですか」
ドロロの時と同じだった。
空気は非常に緩やかだ。
「おじさまのお手伝いだからです。てゆーか勤労奉仕?」
モアは嫌な顔一つせずに、会った頃と変わらない笑顔で答えてくれた。
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クローン(プロフ) - Say akaさん» 有難うございます。番外編やら続編やらは後々ひっくるめてお話しようと思っておりますので、今暫くお待ち頂けると有難いです。 (2015年5月3日 16時) (レス) id: d8750a893b (このIDを非表示/違反報告)
Say aka(プロフ) - この小説凄くいいです!!これからも更新頑張ってください(^ー^)ノあと、番外編とか作りませんか? (2015年5月2日 13時) (レス) id: f86aeafa04 (このIDを非表示/違反報告)
クローン(プロフ) - 清河清明さん» 紹介されるような物である事に恐縮です。書き方とかはようやく整って来たので何とも言えませんが、そこが仇になる事もあるので良かったです。コメント有難うございました…! (2015年3月26日 12時) (レス) id: d8750a893b (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - こんにちは。友人の紹介で読んでみたら予想以上に面白く、通信規制の一歩手前までいってました(笑)台本小説でもなくスーパー完璧少女でもない彼女の生き様に久々に胸熱でした (2015年3月24日 18時) (レス) id: 07f2a719b6 (このIDを非表示/違反報告)
クローン(プロフ) - 名無しさん» おわわわ…! こちらこそコメント有難うこざいます。この作品に世界観なる物が作れていたようで光栄です! (2015年3月1日 7時) (レス) id: d9f1c78e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クローン | 作者ホームページ:ホームページはありません。
作成日時:2015年1月11日 8時