抱き枕みたい ページ11
(岩本side)
俺の腕のなかにすっぽりと収まるAちゃんは、抱き枕かぬいぐるみかみたいな大きさで。すごく可愛い。
けど、みんなで手紙を見せて貰った日。あの日に抱っこした体は、「大丈夫」という言葉とは真逆で、とても冷たくて、すこし震えていて。
寒いわけじゃないのに、思わずぎゅっと抱き締めた。
スッキリしたと、もう大丈夫だといって帰されたけど、大丈夫じゃないのは、丸わかりだった。だって、Aちゃんの心がスッキリしたって、事件はなにも解決していないんだから。
岩「このままじゃ不味いよな」
阿「なにも解決していないからね」
深「Aちゃんが助けを求めてくるとは思えねぇよなぁー」
そう、だから困るのだ。
なにがあっても、Aちゃんはきっと、俺らに心配と迷惑をかけたくないからと、何も言わないから。
阿「樺さんに聞いて、車じゃない日…徒歩で帰宅する日は、また誰かがストーキングするしか方法はないかなー」
深「方法考えながらストーキングしてさ、思い付いたらそっちにスイッチでいんじゃね?」
岩「…うん、それしかない気がする」
Aちゃんが何も言わないなら
俺らだって、何も言わずにAちゃんを守るし。
そしてその翌日から、Aちゃんが一人で歩いて帰るときは、メンバーがこっそりついて歩くことになった。
.
.
.
A「……ふぅ…」
それでも、また悪くなった顔色。
ストーカーは捕まっていないから、そりゃわかるけど…でもそれにしても、疲れすぎじゃないかな。
岩「Aちゃん?どうした?」
A「はぇ!?」
岩「ため息、ついてた」
A「あ…」
岩「ストーカー?なんかあった?」
しっかり目線を合わせて訊く。話すまでこのままだと理解したのか、今回はすぐに教えてくれた。
A「留守電、が、入ってて」
岩「え!?スマホ?」
A「ううん、家電。FAX受け取る用に電話つけてるから」
岩「あー、なるほど…けどどこでその番号を?」
A「…わかんない、けど、入ってた」
岩「…そっか、それはこわいな…」
また、ぎゅ
あ
このこ
すっごく痩せた。
そして。だいぶ追い詰められてる。
敬語なんか、使ってらんないくらいに。
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りんか(プロフ) - 強いキミを守るなら完結おめでとうございます‼️読んでいて、続編が読みたくなったので、[続]強いキミを守るならのパスワードを教えて貰えないでしょうか? (12月18日 18時) (レス) id: a15f9aa4a0 (このIDを非表示/違反報告)
Mr振り付け師兼リーダー(プロフ) - 完結お疲れ様です!読んでいてキュンキュンしたり切なかったり、とても素敵な作品で続きが気になります!こちらの続編ぜひ読みたいです!もしよかったらパスワード教えていただけないでしょうか? (12月14日 0時) (レス) id: 2b13d3dca2 (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - 完結お疲れ様です!重いひーくん最高でした😭くすちゃんも自分があんな目にあったのにそれでもひーくんやメンバーも思う気持ちは変わらずすごく素敵だと思いました!個人的にメンバーが重!!っていう反応した時笑いましたww素敵な作品ありがとうございました! (10月20日 22時) (レス) @page40 id: cb505c4799 (このIDを非表示/違反報告)
やっぱり活字が好き(プロフ) - こんにちは!くすちゃんとひーくん、素敵な2人がとても大好きです💛何度も読んで苦しくなりますが、くすちゃんの笑顔を想って番外編からの先を想像しつつ幸せを願っています!! (9月8日 17時) (レス) id: 255d50e971 (このIDを非表示/違反報告)
さおりん(プロフ) - 私もすねすねひーくんもじもじさせ隊です。ひーくん重た可愛くて好き〜💛 (7月4日 14時) (レス) id: b19d2edb84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめ | 作成日時:2023年6月10日 11時