いつまでも。1 斉唱箱庭Ba. ページ42
田淵さん視点
田淵さん『』貴方「」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
2月14日。
いつもは何がバレンタイン、と腐している俺も
今年はそわそわとしていた。
ことの原因は先週末
愛してやまない片想いの零さんから
「田淵くんって、甘いものとか、チョ、チョコとか！好き？」
なんて聞かれたことにある。
両隣の2人からは猛攻撃を受けたが、
それに全く動じることもできなかった。
好き、の部分だけでいいな、、なんて思っていたせいか
好きだよ、なんてそっけない返しをしてしまい、
連日2人を巻き込んでの深夜反省会をしていたら
来るは当日。
斎藤くんは一昨年・去年と学び続け
今年はすごく良く入る鞄を別で持ってきていた。
貴雄は今年も交換するよ、と大量に持参しており、
例年通り、俺たち2人の2月14日初めては貴雄のものとなった。
休み時間。昼休み。休み時間。
俺たちは今年も斎藤の矛と盾になり続け、
終礼まで終えてしまった。
普通に甘いもの好きか聞かれただけだしな、
でもあの時期にその質問なんて、
と偏屈な考えと甘酸っぱい期待が交錯し、
うだうだと箒をスライドさせていると
「たぶちくん、このまま放課後待っててね」
と可憐な声。
振り向くと小走りで逃げていく零さんがいた。
斜め後ろ、頭らへんに痛い視線を感じる。
それも2名。目は合計で4つぶん。
掃除を終わらせるとすぐに、貴雄はにやにやとしながら、
大本命の女の子に飴をもらったと自慢し続ける斎藤くんを
引っ張って帰っていってくれた。
斎藤くんも素直になればいいのに。
余裕も束の間、俺の心臓は限界を迎えていた。
サッカー部を眺めてみたり、もう使うことのないであろう参考書を開いてみたり、
参考書が二冊目に突入しかけていると
「田淵くん、！待たせちゃってごめんね」
と夕陽に照らされながら可愛く登場。
全然待ってないよ、なんて余裕ぶったが、
ほんとうにこのまま口に出せているかは怪しいほどだった。
『あのね田淵くん、』
零さんが隣の席に腰掛けながら話す。
『わたし、あなたのこと好きみたいで』
受け取ってくれませんか？
と震える手で可愛らしい箱を渡してくれた。
俺は喜びと共にその震える手を止めたい一心で
彼女の手を包むように物を受け取り、
その喜びを伝えようとする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楪鴇(プロフ) - 零さん» 零さんありがとうございます；；♡ 彼の解釈をお話からお伝えできて何よりです。 (2023年2月17日 0時) (
レス) id: 02beeaa266 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - バレンタインの斉唱箱庭さんめちゃくちゃ良かったです…確信犯で余裕綽々な大人なのに可愛らしくてきゅんきゅんが止まりませんでした。もう1つあるそうなのでのんびり待っております (2023年2月15日 22時) (レス) @page44 id: fb30cb9c86 (このIDを非表示/違反報告)
楪鴇(プロフ) - とろろのすけさん» 2回目のリクエストありがとうございます◎了解しました！書かせていただきます！ (2020年5月5日 8時) (レス) id: 8cbacb2e16 (このIDを非表示/違反報告)
とろろのすけ(プロフ) - 2回目のリクエスト失礼します！箱庭斉唱のボーカルさんのお話で、既に付き合ってるシチュエーションのものが見て見たいです、、！ (2020年5月4日 22時) (レス) id: 0a7874f912 (このIDを非表示/違反報告)
シノ - おがりんいいですね！もし余裕のある時にまた書いていただけたらとってもうれしいです！更新頑張ってください(・ω・) (2020年3月28日 17時) (レス) id: 92ddaefb04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：楪 鴇 | 作成日時：2020年3月11日 10時
