RIDE.26 ー昔話終了ー ページ26
〜巻島〜
自転車に乗れない
Aが命をかけて守ってくれたのに
レースには出なくなった
見舞いも歩いて行った
自転車の話しは、やめた
あんな苦しそうなAを見て、それでもオレだけが楽しいなんて間違ってる
そんな日々が続いたある日
病院にいるはずのAが家の前にいた
「巻ちゃん!最近自転車乗ってないの?」
巻島「やめたからな」
「そっか。じゃあさ、最後にサイクリング行こ」
巻島「は…………?」
サイクリングっつーか……坂なんだけど
巻島「お前体は!?」
「大丈夫だよ。痛くないもん」
巻島「嘘つけ!」
「先にてっぺん登ったほうが勝ちね。よーいどん!」
オレを置いて、Aは坂をどんどん上がっていく
痛くないわけないショ!
皮膚が剥がれてんだぞ
服が擦れて痛いはずなのに
そうやって我慢して笑顔を取り繕って、オレのせいだと恨んでくれたほうがよっぽど楽だ
巻島「……本気で勝てるって思ってんのかよ」
初心者が、……大怪我してるAに負けるわけないショ
すぐさま横に並ぶとAはただ、キラキラした目でオレを見た
「カッコいい巻ちゃんだ」
唯一、オレのダンシングをキモイとも笑わなかったのはAだけだった
Aを抜いてぶっちぎりでてっぺんを取った
思い出した
この気持ち
オレは……自転車が好きなんだ
「速いね巻ちゃん」
巻島「たりめーショ。あと、普通のチャリでロードバイクには絶対勝てないからな」
「そうなの?頑張ったのに」
巻島「フライングしてな。じゃねぇ!病院戻らねーと!」
病院の出入り口にはおばさん(Aの母親)が怒りの炎を背後に仁王立ちしていた
「巻ちゃん。一緒に怒られてね」
巻島「嫌に決まってるショ」
「あ……巻ちゃんのお母さん」
お前の母親は勘が良くすぐに見つかった
母親(巻島)「裕介!人様の、しかも病人を連れ出すってどういうつもり!?」
巻島「オレじゃない…Aが勝手に」
母親(巻島)「言い訳しない」
母親「A?あなたもよ?先生に許可貰ってないのに勝手に出ていくなんて……!!」
A/巻島『ご…ごめんなさい』
2人して怒られてるのに不思議と嫌な気分じゃなかった
オレは自転車をやめなかった
Aは中学に上がる頃には普通の生活に戻れた
けど、火傷の跡だけは治ることはなかった
100人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆ(プロフ) - しらすさーてぃーんさん» すぐ直します!! (2019年8月2日 16時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - しらすさーてぃーんさん» ありがとうございます! (2019年8月2日 16時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
しらすさーてぃーん - 神崎さんは神崎じゃなくて寒咲ですよ! (2019年8月2日 11時) (レス) id: e9ad34f717 (このIDを非表示/違反報告)
桜音姫(プロフ) - 最新話読ませていただきました(^ω^)荒北が素直になるチャンスですね(^ω^)荒北が押し通すか夢主が荒北の方を承諾するか、嫌いじゃないと誤解をとくのか続き楽しみに待ってます(≧∇≦) (2019年7月13日 1時) (レス) id: 1b05663279 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - みどくんさん» 期待に添えちょったらいいんですけど……o(;-_-;)o (2018年9月9日 0時) (レス) id: 081479619d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まゆ | 作成日時:2018年9月6日 10時