４話 ページ6
後ろでゆっくりと鉄格子が閉まっていく。
逃げ場が完全に閉ざされてしまった。まぁ、逃げるつもりなんてないが。
目の前の異形は、ゴツゴツとした大きな手で私を力強く握り締めた。
アニメや漫画でそのおぞましい姿は見ていたのだが、実際に見ると恐怖で胸がいっぱいになる。
決意した筈なのに、やっぱり死にたくないという思いが出てきてしまった。
そもそも転生して、原作突入直後に出荷されるって考えてもいなかったんだけど。
横で静かに佇むママに視線を向けた。
彼女も彼女で、辛いのかなぁ…なんて。
『…ママは私のこと、愛してる？』
「…えぇ、愛しているわ」
『そっか。…私のこと忘れないでよ？』
自然と笑みが溢れた。
今、この時だけは、本当の母親と子供になった気分だった。
空気を読んで待っていてくれた鬼が、ヴィダを胸へと近づけてくる。
もう少しで私は…と瞳を潤ませてから、鬼を真正面で眺めた。そして満面の笑みを向けた。
『貴女は私を殺すことが出来るかな？…なーんてね』
強気で人生最後の言葉を言った。
いや、二度目の人生最後か？
三度目の人生もあったりして…。
そして、
"グサッ"
ヴィダが皮膚を突き抜けた。
ナイフで刺されているような感覚だった。
『…はは、短い人生だったなぁ』
時間が経ち、視界がだんだん霞んで______
_______いなかった。
『ん？……ん？！』
胸に刺さっているヴィダは綺麗に咲いている。
"白色"に。
ど う い う こ と ？
必死に頭を回転させるが、全然分からない。
しかも鬼とママはなんか違う場所に行っちゃったし、鉄格子はまだ閉まってる。
あ、これ誰か来るまで待つ感じ？
『まずこれ抜かなくちゃ…』
胸に刺さっているヴィダを、力任せに引き抜いた。すると血も一緒に流れてくる。まぁ、当たり前だよね。
止血の方法なんて分かんないんだけど…と頭を悩ませていると、先程とは違う鬼とママがやって来た。
待ってたよ、という意味を込めて片手を上げ、口を開いた。
『お久しぶり。いや、さっきぶり？まぁ、どっちでもいいや。…で、なんか私死んでないんだけど、何か知らない？』
「？！」
二人(？)は驚きすぎて放心状態に入ってしまった。そりゃあそうだよね、死んでると思ってた人が生きてるんだもん。
私も何が起きてるのかは未だに分からないが、取り敢えずラッキーで片付けた。
『(人生イージーモードだぜ、いぇい！)』
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
じ - 気になるバーバン。 (2022年10月17日 16時) (レス) @page37 id: 3b27f251de (このIDを非表示/違反報告)
嘘の仮面 - 一瞬13話で 我「あれれ〜？←コ○ン風味 セリフが最終回っぽいぞ〜？」ってなってた (2020年11月14日 16時) (レス) id: f9b0be6a5b (このIDを非表示/違反報告)
死にたい、、、のか？ - 好きなアニメがけっこうかぶってる、、、なでゅか、、、ガンバ。 (2019年10月6日 2時) (レス) id: 69368e2650 (このIDを非表示/違反報告)
スターフォロワー(プロフ) - 花風雪さん» ご報告ありがとうございます！今すぐ直してきます！ (2019年8月25日 17時) (レス) id: 8991ba4fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スターフォロワー | 作成日時：2019年4月2日 7時
