３３話 ページ40
医務室に連れていかれた私は、ベッドに腰をおろしていた。身体を横にすると吐き気が酷くなってしまうため、こうしている。
ママは救急箱の中から、小さなガラス瓶を取り出した。
包装紙になんて書いてあるかまでは見えないが、ガラス瓶に入っている液体の色が凄いということは分かる。
別に汚いという訳ではない。むしろ綺麗だ。
ただ、
『(毒薬のポーションですか？)』
そう思うくらいの、濃い紫色だったのである。
でも毒薬じゃないのは確かだ。上物にそんなもの飲ませる筈がない。
なんていう私の思考を読み取ったのか、タイミング良くママが言葉を発した。
「吐き気止めの薬よ。これを飲めば直ぐに良くなるわ」
安心させるような微笑みを浮かべてそう言った彼女は、瓶の蓋を開けて別の小さなカップへと吐き気止めの薬(自称)を注いだ。
生憎私はあまりの吐き気に、身体を自由に動かすことができない。
それはつまり、この液体を飲まなくてはいけないということを表しているわけで。
『(飲みたくない。…けど、)』
飲むしかないんだよなぁ…！と半ばやけくそでカップに入っている全ての液体を一気に飲み干した。
『……ぅぇ』
苦い。あまりにも苦すぎる。
え、何、これ子供に飲ませてもいいやつなの？ぐらいの苦さだ。
「ふふ、全部飲めたのね。偉いわ」
頭の上に置かれた彼女の手。
普通だったら「子供扱いしないで」とかになるのだが、相手はあのイザベラママなので思わず口元がにやけてしまう。
薬を飲んで数分経つと、本当に吐き気が治まってきた。
なんか疑ってごめんね、吐き気止めの薬さん。
ガラス瓶に入っている残りの液体を見つめていたら、とあることに気がついた。
『…あれ？』
「どうしたの？」
『いや、ママはどうして私が気持ち悪いってこと分かったのかなぁーって』
私は「気持ちが悪い」「吐き気がする」など容態について、一言も話していない。
なのに彼女は吐き気止めの薬を持ってきた。
なんで？と若干の疑いを向ければ、ママは一旦目を閉じて再び開けた。
「だって貴女のことは、何でも知っているもの」
あ、嘘だな、と思った。
ママと居る時間が長いからか、たまに嘘を見破れる時がある。
今回の彼女の言葉は、曖昧すぎだ。
私は色々な思いを閉じ込めて、こう言った。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
じ - 気になるバーバン。 (2022年10月17日 16時) (レス) @page37 id: 3b27f251de (このIDを非表示/違反報告)
嘘の仮面 - 一瞬13話で 我「あれれ〜？←コ○ン風味 セリフが最終回っぽいぞ〜？」ってなってた (2020年11月14日 16時) (レス) id: f9b0be6a5b (このIDを非表示/違反報告)
死にたい、、、のか？ - 好きなアニメがけっこうかぶってる、、、なでゅか、、、ガンバ。 (2019年10月6日 2時) (レス) id: 69368e2650 (このIDを非表示/違反報告)
スターフォロワー(プロフ) - 花風雪さん» ご報告ありがとうございます！今すぐ直してきます！ (2019年8月25日 17時) (レス) id: 8991ba4fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スターフォロワー | 作成日時：2019年4月2日 7時
