２話 ページ4
『逃げる？なんで？』
レイの言葉を聞いて、わざと知らないふりをした。
三人は私が農園の秘密について知らないと思っているのだ。
「A、今から言うことは真実だ。君にとってはとても辛いと思うけど、聞いてくれる？」
私がコクリと頷くと、ノーマンが代表して一通り話してくれた。
今まで孤児院を去った子供達が、鬼に食べられていたこと。
私達は食料だということ。
そして、ママが悪い人だということ。
いつの間にか、己の瞳から涙がポロポロと溢れてきてしまっているのに気がついた。
全部知っている筈なのに。なのにどうして、涙が止まらないのだろうか。
泣き顔を見られるのが嫌いな私は、ごしごしと服の袖で目を擦った。
瞬間、体が温もりが伝わった。
エマが私を抱き締めていたのだ。
ふんわりと包み込むようにして、割れ物を扱うかのように優しく。
「泣きたい時には、泣いてもいいんだよ」
なんて言葉をかけられたら、もう涙腺が緩みまくってしまう。
だが私は一生懸命我慢して、涙を止めた。
じゃないと話が進められないと思ったからだ。
「......凄いな」
『何が？』
「いや、何でもねぇ。...話の通り此処は危険だ。だから、逃げてくれ」
『...どうやって？私、出発もうすぐだよ』
するとレイは黙りこんだ。
逃げることなんてできない。今の時点では発信器の無効化方法は無いのだ。
三人がやろうとしていることは、あまりにも無謀すぎる。
『...空気を壊すようで悪いんだけどさ、私は逃げないよ』
そう言うと、彼等は目を点にしてすっとんきょうな声をあげた。
ノーマンの「何で？」という問いに、だって、と前置きをしてから話始める。
『逃げれる成功確率が低すぎる。それにもし私が失敗して、皆の脱獄計画が崩れるのは嫌だ』
「...Aは生きたくないの？」
『生きたいよ。まだ皆と一緒にいたい。』
「なら！」
『けど、もういいかなって』
諦めるしかないんだ。
そう三人に言い聞かせる様にして、眉を下げて笑った。
部屋に訪れる静寂。その何とも言えない空気を壊すようにして、エマがガッと私の両肩を掴んだ。
「生きたいなら、逃げようよ！皆で脱獄しよう！」
『だから、』
"コンコン"
ノックがされた扉を、皆でバッと見る。
そこか出てきたのは、やはり
『ママ、どうしたの？』
「もう出立する時間だから、呼びに来たの。お話は終わった？」
『うん！』
...タイムオーバーだ。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
じ - 気になるバーバン。 (2022年10月17日 16時) (レス) @page37 id: 3b27f251de (このIDを非表示/違反報告)
嘘の仮面 - 一瞬13話で 我「あれれ〜？←コ○ン風味 セリフが最終回っぽいぞ〜？」ってなってた (2020年11月14日 16時) (レス) id: f9b0be6a5b (このIDを非表示/違反報告)
死にたい、、、のか？ - 好きなアニメがけっこうかぶってる、、、なでゅか、、、ガンバ。 (2019年10月6日 2時) (レス) id: 69368e2650 (このIDを非表示/違反報告)
スターフォロワー(プロフ) - 花風雪さん» ご報告ありがとうございます！今すぐ直してきます！ (2019年8月25日 17時) (レス) id: 8991ba4fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スターフォロワー | 作成日時：2019年4月2日 7時
