２３話 ページ27
「下りていらっしゃい。お外は危ないわ。...賢い貴女なら、よく分かるでしょう？」
小さい子供をあやすような優しい口調で、ママはそう言った。
ザーザーと雨が降る中でも、彼女の声は良く聞こえる。
『確かに外は危ないよ。でも、ハウスの方がもっと危ない』
「...愛情も与えられ飢えも真実も知らず、満たされた気持ちで死んでいけるのよ。ハウスの方が断然安全だと思わない？」
『(そう思ってるのは、ママだけだと思うけど)』
なんていう言葉は呑み込んで、両手を大きく広げて笑う。
何も知らない幸せな子供が浮かべる、無垢な笑顔。
そんな謎の行動に、彼女は眉を寄せた...と思う。
大雨のせいで、表情が全然見えないのだ。
『ママはなーんにも分かってないんだね！』
「...分かっていない？」
『ハウスの方が安全って言ってるけど...それってただ、貴女が諦めただけでしょ？』
「私が一体、何を諦めたと言うの」
『＿＿＿抗うことを』
あ、やべ、下見の時の台詞パクっちゃったよ。
てかこれどう見ても、私が悪役っぽくなってる気が...。
訪れる静寂を掻き消すようにして、雷が鳴った。
...雷？
『うわぁぁあッ？！』
「！」
悲鳴に似た声で、叫んだ。
雷の音が耳に届かぬようにするため、両耳を塞いでしゃがむ。
実は私、雷が大の苦手なのである。
理由は簡単。前世で、雷が近くに落ちて怖い思いをしたから。
この世界で雷が鳴ることは幾度かあったが、その時はハウスの中に居たからまだ大丈夫な方だったのだ。
だが今はどうだろう。
外に私達は居るし、おまけに服はびしょ濡れで感電しやすい。
『ふッ、や、ほんと無理だってッ！...ふざけんなよッ！！』
怖いあまり、逆ギレを起こしてしまった。それも雷に対してである。
すると今まで黙って様子を見ていたママが、声を発した。
私が弱っている今こそ、と考えたのだろう。
「さっきも言った通り、お外は絶望でいっぱいなの。それに、雷ごときで怯えていたら話にならないわ」
『(おい、雷をバカにしてんのかゴラァ。いくらイザベラ推しだからといって、流石怒るよそれは)』
「そこに崖があるでしょう？いくら跳力が高いAでも、流石に越えることはできない。」
『(だろうね。逆にこの崖をジャンプだけで越えられたら、私がビックリだよ)』
「全て諦めてしまいなさい。貴女はママ候補なのだから、運が良ければまたハウスに戻ってくることが出来るのよ。ね？お家の中で幸せに暮らそう？」
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
じ - 気になるバーバン。 (2022年10月17日 16時) (レス) @page37 id: 3b27f251de (このIDを非表示/違反報告)
嘘の仮面 - 一瞬13話で 我「あれれ〜？←コ○ン風味 セリフが最終回っぽいぞ〜？」ってなってた (2020年11月14日 16時) (レス) id: f9b0be6a5b (このIDを非表示/違反報告)
死にたい、、、のか？ - 好きなアニメがけっこうかぶってる、、、なでゅか、、、ガンバ。 (2019年10月6日 2時) (レス) id: 69368e2650 (このIDを非表示/違反報告)
スターフォロワー(プロフ) - 花風雪さん» ご報告ありがとうございます！今すぐ直してきます！ (2019年8月25日 17時) (レス) id: 8991ba4fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スターフォロワー | 作成日時：2019年4月2日 7時
