１６話 ページ18
夜。
最年少達の濡れている髪の毛を、真っ白なタオルで優しく拭いていく。
原作と違うところは、既に発信器の場所の予測ができているということ。
エマは１〜２歳の最年少９人の耳裏を、順番にさりげなく触っていく。
全員確め終わると、不意にギルダが言葉を発した。
「エマ…私ね…エマに聞きたいことがあるの」
「？」
あ、と思った。
ここのシーンでは、エマは彼女の言葉に反応しなかった筈だ。
「あの日…あの夜…っ」
"ガッシャンッッ"
何かが倒れた音が、ギルダの先の言葉を掻き消した。大きな衝撃音だった。
その音の元となった地面に転がっている、１台のベビーベッド。
エマとギルダはあまりにも急な出来事に反応が一瞬遅れたが、直ぐ様こちらに駆け寄ってくる。
彼女達は、倒れたベビーベッドに誰もいなかったことを確認すると安堵のため息を吐いた。
「大丈夫？凄い音がしたけど…」
『大丈夫、この通り赤ちゃんは無事だよー』
ギルダの問いに、手に抱えていた最年少の女の子を持ち上げる。
私がエマに視線を向けると、彼女は頷いた。発信器の場所が、左耳の裏と確定できたみたいだ。
これにて、一件落着かな？
そう思って私は、"倒した"ベビーベッドをもとに戻した。
▼
Noside
書斎の地下への入口から、僅かな光が溢れている。
「定時連絡、定時連絡。こちら73584、第３プラント」
不自然に本棚の隣にある機械を操作して、孤児院のママ____イザベラはそう言った。
一切感情の籠っていない、無機質な声。
そのまま言葉を紡ぐ彼女の表情は、氷のように冷たい。
「１０月１７日、異常ナシ。では通信を切断___」
ザザ、という雑音が聞こえ、通信機の向こう側から別の女性の声が聞こえる。
名前を呼ばれたイザベラは、少しだけ目を見開いて「大母様？」と返した。
「ボスからの伝言を預かっています。"「例の３匹予定通り出せるな？」"」
「…よいですか、イザベラ。今年は総じて他のプラントの実りがよくない。儀祭で捧げる最上物を摘めるのはあなたのプラントだけなのです。」
その言葉を聞いたイザベラは瞼を瞑って、また開いた。
「____はい、元より承知しております。ボスにお伝え下さい。"「万事順調」「いつでもどの子でも」"と」
これで伝えたいことは終わりか、と通信を切ろうとした彼女はその手を止めた。
そして大母様に告げられた"あること"を聞いて、彼女にしては珍しく驚愕の表情を露にしたのだった。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
じ - 気になるバーバン。 (2022年10月17日 16時) (レス) @page37 id: 3b27f251de (このIDを非表示/違反報告)
嘘の仮面 - 一瞬13話で 我「あれれ〜？←コ○ン風味 セリフが最終回っぽいぞ〜？」ってなってた (2020年11月14日 16時) (レス) id: f9b0be6a5b (このIDを非表示/違反報告)
死にたい、、、のか？ - 好きなアニメがけっこうかぶってる、、、なでゅか、、、ガンバ。 (2019年10月6日 2時) (レス) id: 69368e2650 (このIDを非表示/違反報告)
スターフォロワー(プロフ) - 花風雪さん» ご報告ありがとうございます！今すぐ直してきます！ (2019年8月25日 17時) (レス) id: 8991ba4fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スターフォロワー | 作成日時：2019年4月2日 7時
