１０話 ページ12
エマが寝るまでにかかった時間は、案外とても短かかった。
彼女の頭を撫でてから、笑みを浮かべる。
そして素早くパジャマに着替えてから、子供部屋を出た。
早く行かなくては、ママに不審に思われてしまう。
書斎の前に着いたと同時に、左隣の寝室から彼女が出てきた。
『あ、そっちに居たんだ』
「遅かったわね。何かあったのかしら？」
『んー別に？皆を起こさないように、こっそり着替えたからかなぁ』
流れるような動作で、私の首筋に手を添えるママ。脈を測っているのは明らかだった。
やっぱり、怖いなぁ…。
彼女の過去を知っているとはいえ、やはり怖いものは怖いのだ。
寝室に入ってベッドに寝転がる。
隣にはママ。普通は彼女と寝ることが出来るのは赤ちゃんぐらいだが、今日は別だ。
一応自分は里親に引き取られたということになっているため、朝になって私がいたら皆驚いてしまうだろう。
まぁ、それもそれでやってみたいが。
『…私がママを独り占めしてるみたいで、なんか嬉しい』
「ふふ、嬉しいこと言ってくれるわね。…おやすみなさい、A」
『おやすみ…』
瞼を閉じると、私が先程エマにやったようにポンポンされる。
彼女が歌ってくれる、この懐かしい旋律は____。
▼
エマside
Aが出荷されてしまった。
どうしてこうなってしまったんだろう、といくら後悔しても彼女は帰ってこない。
ノーマンとレイも元気が無いようで、随分とやつれていた。
「……私も人のこと言えないなぁ」
夜になると、私は白い毛布に身を包んだ。
皆寝てしまっていて、辺りは静かだ。
ポタリ、とベッドに敷いているシーツに何かが落ちた。涙だ。
無意識の内に泣いていたのだ。
…今だけは弱虫のままでいてもいいかな。
そう思って毛布の中で声を殺して泣いていたら、突然上から声がかかってきた。
『……エマ？起きてる？』
「っ？！」
一瞬夢かと思った。
私が見ている幸せな夢。
でも、この声は_____
「A…？な、なんでいるの？！」
_____今日出ていった筈のAだった。
彼女が何かを言っているようだったが、耳に入ってこなかった。それほど嬉しかったのだ。
気がついたらベッドに横になっていて、一定のリズムで優しくポンポンとされていた。
これが、夢じゃないといいな…。
_______暗転。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
じ - 気になるバーバン。 (2022年10月17日 16時) (レス) @page37 id: 3b27f251de (このIDを非表示/違反報告)
嘘の仮面 - 一瞬13話で 我「あれれ〜？←コ○ン風味 セリフが最終回っぽいぞ〜？」ってなってた (2020年11月14日 16時) (レス) id: f9b0be6a5b (このIDを非表示/違反報告)
死にたい、、、のか？ - 好きなアニメがけっこうかぶってる、、、なでゅか、、、ガンバ。 (2019年10月6日 2時) (レス) id: 69368e2650 (このIDを非表示/違反報告)
スターフォロワー(プロフ) - 花風雪さん» ご報告ありがとうございます！今すぐ直してきます！ (2019年8月25日 17時) (レス) id: 8991ba4fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スターフォロワー | 作成日時：2019年4月2日 7時
