非日常 (∽) (ページ17)

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映画の終わった後、人通りの少ない冬の香りのする道に出ると、
伸びをしながら亮が口を開いた。

「ふぁ～、めっちゃ泣いたわぁ～」

「亮の目、真っ赤やで」

「嘘やん！」

「ほんまやって(笑)」
「亮、この後は？」

「んー、どないしよ」

腕を組んでうんうん唸っとる亮。

その姿が愛おしくて堪らない。

気が付いたらその細い体を抱きしめとった。

亮が驚いた顔をして俺を見上げる。

「きみくん？」

「亮、よお聞いてや」

「ぅん…？」

「俺な、亮がめっちゃ好きやねん」
「気付いたんは最近やけど…」
「たぶん、亮が保育園おった頃から」

腕の中におる亮の目を覗き込んでそう言うと、亮は何とも言えない顔のまま視線を返す。

そして、おもむろに口を開いた。

「きみくん…覚えとる？」
「保育園おった頃、きみくんに言うたこと」

それって、もしかして､､？

「俺、きみくんのお嫁さんなるぅ言うてん」

「めっちゃ、覚えとるで…」
「夢に出てくるくらい…」

「そっか、よかった…」
「俺もな？きみくん好き…」

首に亮の腕が巻き付いて、まだあどけなさが残る顔が近付いてくる。

亮も同じ気持ちでおってくれたなんて…

俺はそっと亮と唇を重ねた。

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