パンダ 【こうち】 ページ25
バスの中でぼうっと窓を見る。窓には水滴がはりついていてはっきり見えないけれど、一年前に離れた住んでいたこの街は、新しい建物が増えたり、はたまた、よく通っていたコンビニが潰れたりしていた。
少しの変化かもしれないけど、私には知らない街のように感じた。
引っ越してから1年しか経っていないのか自分が降りる停車場をつたえるバスのアナウンスを聞きながら考える。
たしか、あの日も雨だった。涙のせいなのか、雨に打たれてなのかわかんないけど、化粧だってボロボロになって、何もかも嫌になって部屋を飛び出したあの日は、変わってしまった風景を見ながらも今でも鮮明に思い出す。
何度も何度も忘れたかった。
もう何年、一緒にいたかもわかんない。大切だった人。
好きになるのは一瞬だった。忘れるのは1年経った今でも難しそう。
バスが止まって、折り畳み傘をカバンから出そうとするも見つからない。
「、、、あー、バス乗る前って雨降ってなかったんだった。」
天気予報なんて普段見ないし、家出た時は晴れてたから傘なんてもってなかった。
しょうがない。そう思いながら目的地まで歩こうとすると、
「A、？」
大好きで忘れられない人の声が耳に届いた。
「高地、、？」
スーツを着こなして傘をさして徐々に近づいてくる高地をただただ見続ける私。
声だって震えちゃって。今にも涙が出そうだった。あの時みたいに雨のせいで泣いても、高地にはバレないんだろうけど。
「久しぶりだな。」
何でこっちに？と言いながら、傘に入れてくれる。
「、、姪っ子が誕生日で。ケーキ、予約してて。」
ほら、あそこの。と他のケーキ屋さんより少し遅くまでやってくれてて2人でよく仕事帰りにどっちかが家に持ち帰ってきて食べてたケーキ屋さんの名前を出す。
「ああ。Aほんとあそこのケーキ好きだね。俺も好き。最近もよく食べてる。」
ほんとはケーキを予約した時も、2人がよく食べたケーキだたってすぐに頭に浮んだし、仕事を定時で終えてそのままの足でバスに乗った時もこの街がすぐに頭の中で浮かんだ。
変わってしまった街並みをみても、自分が住んでいた家までの道順なんて忘れるわけもなくて、たくさんの思い出を頭の中で溢れかえってきていた。
そのたくさんの思い出の中には全部、全部に高地がいた。
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みお(プロフ) - SixTONES、2ndアルバム発売ですね！ (2021年12月8日 19時) (
レス) id: a8a5314ca7 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - mi.さん» コメントありがとうございます！ほんっとですか！！！！すごく嬉しいです！しかもお話も前から読んでくださってて（ ; ; ）今日はとことんたのしみしょうね！！！ (2021年8月13日 19時) (レス) id: 726b2f49ea (このIDを非表示/違反報告)
mi.(プロフ) - 初めまして！いつもきゅんきゅんしながらお話を読んでいます。コールミーの時からコメントしようか迷ってましたが、くまさんと推しが全く同じで舞い上がった勢いでコメントしちゃいました！くまさんの紡ぐお話が大好きです。これからも更新楽しみにしてます^ ^ (2021年8月9日 23時) (レス) id: f783054b71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くま | 作成日時：2021年7月8日 23時
