I'm a sicker for you ～SixTONES短編集～ (ページ4)

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ふと、冷蔵庫を見ると彼女の水筒が目に入る。

『水筒忘れてるし…』

おそらくお茶を作ってそのまま一緒にいれてって忘れたところだろう。

ご飯をレンジで温めて、1人寂しく『いただきます』と手を揃える。

相変わらずAが作ってくれたご飯は美味しいなぁ…なんて。

母親の味とはちょっと違うけど、俺好みの味付けで食が進む。

彼女から仕事を奪ってしまいたいわけではないけど、自分が帰ってきた時にAに「おかえり」と言われたいし、Aに1番に『ただいま』と伝えて抱きしめたい。

Aに、最初に顔を合わせて『おはよう』というのは俺でありたいし、1日の最後に『おやすみ』というのも俺でありたい。

俺もAも働き盛りで気付いてなかったけど、俺らが付き合って6年が経った。

俺だってもうデビューもして、彼女の一人や二人…一人しかいないけど、Aを養えないほどの給料じゃない。

むしろ十分養えると思う…。

『ごちそうさまでした』

色々考えながら、食器を片付け、ベッドへと直行する。

寝相が悪かった時にベッドから落ちるのは嫌だな、と思って購入したダブルサイズのベッドだけど、いざ一人で寝るとちょっと寂しいな…なんて。

隣で寝るのはAがいいな…なんて。

贅沢な悩みかな…

カーテンから差し込む夕日で目が覚めると、もう夕方の16:30で…

爆睡してたんだな…と苦笑いをこぼす。

リビングへ行き、“そっか、Aはまだ帰ってきてないのか…”と少し残念に思う。

彼女が帰ってくる前に、ちょっとやることができたので顔を洗ってまだ少し眠い頭を叩き起こす。

『あ、あったあった』

引き出しの中から1枚の紙を取り出し、ボールペンを走らせた。