I'm a sicker for you ～SixTONES短編集～ (ページ3)

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プロポーズ　H.M ページ3

H.M side

家に帰り、玄関の電気のスイッチを入れる。

『ただいまぁ…』

小さくつぶやいた声は廊下の奥へと消えていった。

リビングにカバンを落とすようにおろし、手を洗いに向かう。

地方でのドラマの撮影が終わり、現在、家に帰ってきたのは朝の8時を過ぎている。

仕事の関係で、夕方まで雑誌の撮影、深夜のドラマの撮影と連続だったため、ろくに仮眠も取れず今に至る。

もう眠気も限界をとっくにこしていて、今すぐベッドに倒れ込みたい症状を抑え、服を着替える。

ご飯も食べてないから腹も減っていた。

リビングへ戻ってきて冷蔵庫を開けると、何やらラップがしてあるご飯とメモがあった。

___ほっくんへ

　お仕事お疲れ様！ご飯はレンジで温めて食べてね！今日は日勤なので17時に終わります。また帰りに寄るね。ちゃんと寝て食べること！！じゃあまた来るね！ Aより

『ふっ、そこは“ちゃんと食べて寝る”だろ…』

慌てて書いたのか、走り書きの彼女の置き手紙に頬が緩む。

彼女は昔、ダンスのレッスンで俺が怪我をした時にお世話になった病院で働いていた俺の担当の看護師さんだった。

母親と同じで看護師ということもあり、親近感があって、俺が心を開くのに時間はかからなかった。

普段は天然でおっちょこちょいのくせに、周りをよくみていて、なかなか感情をうまく表せない俺の気持ちを汲み取ってくれる最高の彼女。

俺もアイドルとして忙しい毎日で、彼女も看護師で忙しいため、付き合ってはいるものの今回のように入れ違いになることは多々ある。

あ、ちなみに同棲はしてない。これはAと話し合って決めた結果。

生活スタイルがバラバラなのに、一緒にいるのはお互いに生活リズムを崩してしまうかもしれない…と考えたから。

まあ、お互いの家の合鍵はそれぞれ持っていて、連絡さえすればいつでも行き来していいようにはしているけど。