となりの京本くん

6話 ページ6

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2年になって1週間がたった。




ふたつ、わかったことがある。




ひとつめは田中くんは優しいということ。




そしてふたつめは




「こーち、消しゴムもってない？」


「あるけど、なに忘れたの？」


「そ、だからかして」


「やだよ！消しゴム1個しかもってねーもん」


「なんで2個もってきてないんだよ」


「普通1個しかもってこねえだろ！」




こんな風に京本くんは1番後ろの席からはるばる

こーちのところに来ると、仲良さそうに言い合い

を始めるということ。




クールかと思ってたからちょっと意外。




「こーち、京本くんにかしてあげなよ」


「はあ？なんで俺が。田代もってねぇの？」


「私の使う分しかな〜い」




こーちの視線が結衣から後ろの私に移る。




え、私？




すると、京本くんはいいってと言って

こーちの肩を掴んで前を向かせた。




今の流れって完全にこーちが私に消しゴム

もってるか聞く感じだったよね。




あからさまに拒否されたんだけど。




え、もしかして私嫌われてる？




「なんだよ、消しゴムいるんじゃねえのかよ」


「それとこれはまた別なの」


「お前さあー……」




こーちが京本くんを見ながらはぁ、とため息をつく。




結局、京本くんはこーちの消しゴムを

借りていった。




「こーち、美術用のねり消しならあるけどいる？」


「ぜってー手真っ黒になるやつじゃん」


「もともと黒いからわかんないって」


「いや黒くねぇし！」




そう言いつつ、その日こーちはねり消しを使った。




手は真っ黒になっちゃってたけどね。







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