となりの京本くん

26話 ページ26

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最初は緊張していたお昼休みも、気づいたら

みんなと話すのが楽しくてあっという間だった。


もう放課後なんだもん、時間の経過ははやいね。




｢A〜、この後ジェシーくんと遊びに行くから

今日一緒に帰れない！ごめんね｣

｢いいよいいよ、楽しんでね｣

｢ありがと！また明日報告するわ｣




ばいばい、と楽しそうな結衣に手を振って

私も帰ろうと下駄箱に向かう。




…なんか今日廊下混みすぎじゃない？

ほぼ女子だし。


2組の前に集まってるから2組でなんかあるのかな。






｢わっ、ごめんなさい｣

｢すみません、｣




2組から勢いよく飛び出してきた男の子にぶつかる。


ん？あれ、もしかして……。




｢松村くん？｣

｢あ、さっきはどうも…｣




前髪をくしゃっとかいて会釈をする松村くん。

私も慌てて会釈を返す。


ふと松村くんの後ろに目を移せば、廊下にいた女子の

視線がこっちに向いていた。




ん、もしかして今注目の的？


昼休みは周りを見るほど余裕なかっただけで

ほんとはたくさんの人が見てたってこと？




…そいえば陽キャ軍団めちゃくちゃモテるんだっけ。


完全に忘れてた、なんたる不覚、、




じゃあ…、と言ってその場を去ろうとしたら




｢あの、樹ってもう帰りました？｣





松村くんの質問が降ってきた。


女子たちの目が怖いから、はやく帰ろうと思ったんだけど

もしかして松村くんって空気読めないタイプ…？




｢教室にはいなかったから、もう帰っちゃったかもです｣

｢わかりました。ありがとうございます｣

｢いえいえ｣




今度こそ本当に帰れる。




陽キャ軍団に関わる時は女子の目にも気をつけないと。






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